2014/12/20

Chess in Kecskemet 2014 December GM 4th round


この日のケチケメートは、これまでとうってかわり、晴天が広がり暖かな陽気となりました。昼過ぎに見かけた町中の気温計は、この時期では珍しい17度を記録しています。

さて、ケチケメートのGM トーナメントも4戦目を迎え、2人目のGM との対戦となります。相手はケチケメートで頻繁にプレーしている、セルビアのGM Ilincic で、2年前のGM トーナメントでは、1勝1ドローと勝ち越しています。3回目の対戦となる今回、もちろん勝ちを狙ってプレーします。

Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Ilincic, Z (GM, SRB, 2432)
Chess in Kesckemet 2014 December GM (4)

1. Nf3 f5 2. d3 d6 3. e4 e5 4. Nc3 Nc6 5. exf5 Bxf5 6. d4 Nb4!?



久々の2. d3 Anti-Dutch の登場です。この変化は試合前に軽くチェックしていましたが、6... exd4 だけを調べていて、本譜の手はあまり覚えていませんでした。とは言え、c2 を守る方法は限られていますので、それを選択するしかありません。

7. Bb5+ c6 8. Ba4 e4 9. Ng5 d5 10. a3!


ナイトは早々にa6 に下げさせておき、クイーンをc2 の守りからフリーにします。

10... Na6 11. f3! Nf6 12. fxe4 dxe4 13. O-O Qd7 14. Bb3 Nd5



オープニングは完全に成功です。これで白は1ポーンアップが確定し、優位に立ちました。(勝勢と呼んでも良いかもしれません。) しかし、もちろん前日のVarga 戦の反省がありますので、油断せずにしっかりとゲームを続けます。

15. Ncxe4 O-O-O 16. Qf3!


ここは時間をかなりかけて、自分なりに納得のいく駒組みを探りました。以前の私であれば、勢いだけで16. c4 などと突き、後々d4 の守りに苦労したことでしょう(笑)

16... g6 17. Ng3 h6 18. Nxf5 hxg5 19. Bxg5!?



これが16. Qf3 から私がイメージしていた局面で、白は2ピースルークになる代わりに、3ポーンを得る珍しいマテリアエルをチョイスします。通常、2ピースを持つ側は相手のポーンをアタックするチャンスを多く持ちますが、ここではしっかり守り切れると判断しました。

19... gxf5 20. Bxd8 Qxd8 21. Qxf5+ Kb8 22. Bxd5 cxd5


d5 のナイトも消してしまい、なるべくポジションをシンプルにします。

23. c3 Bd6 24. g3 Nc7 25. Rae1 Rh6 26. Kg2



あまり経験したことのないマテリアルですが、黒の反撃は不十分であり、白の勝勢であることは理屈で理解できます。ここでの白のプランは2つあり、1つはクイーン、さらには可能であればルークを1つ交換してしまい、相手の反撃を消したうえで、キングサイドの2コネクテッドパスポーンを作ること。クイーンを交換した時点で、白のポーンはほとんど落ちなくなるので、勝ちは確定するだろうと考えました。もう1つはややリスクがあっても、クイーンを盤上に残したままでポーンを突き進めることです。

26.... Qg8 27. Re3 a6 28. Rff3 Ka7 29. h3


ここは29. h4! と突けたのを見落としていました。29... Rxh4? 30. Qf6!+- ならば、クイーン交換からのビショップとルークの取りが、両方スレットになります。

29... Kb6 30. Qd7 Qg6 31. Rf2 Qg5 32. Rff3 Qg6 33. Qf5 Qg8 34. a4



私はキングサイドのポーンを進めるタイミングがつかめず、クイーンサイドでもアクションを起こすことにします。狙いは、b2-b3 からc3-c4 とポーンを伸ばすことです。しかしここでも、34. Qf7! Qg5 35. h4! のアイディアが使えました。

34... Kc6 35. b3 b5 36. axb5+ axb5 37. g4 Ne6 38. Re2 b4!?


私は時間があまりなく、この黒のアクティブな反撃にどう対応すべきかよく分かりませんでした。それでも、cファイルを開くことは黒にのキングにとっても危険であることは間違いないので、冷静に対処するよう努めます。

39. Rc2?


39. Ra2! Kb6 40. Qd3! Qc8 41. c4 Nf4+ 42. Rxf4 Bxf4 43. c5+ Kc7 44. Qf3+- という変化はコンピュータの指摘です。こうして並べてみれば、エクスチェンジを返して3ポーンピースのマテリアルにしても、十分に勝てることが理解できますが、実戦ではなかなかマテリアルを返すのは勇気のいる判断でしょう。

39... bxc3?



まさか! と目を疑いました。恐らくIlincic も、取ってから自分のミスに気づいたでしょう。39... Kb6! とcファイルからキングを避けておくのが正解で、そうすれば黒はd4 のポーンに対する反撃で、チャンスを作ることができたでしょう。

40. Rfxc3+! Kd7 41. Ra2!


ルークを最大限に働かせ、キングにプレッシャーをかけることによって、白は再びチャンスを引き寄せます。

41... Qb8? 42. Re3!+-



黒のディフェンスは、41... Qg6 以外にあり得ません。それでも白は、クイーンを交換して勝ちのチャンスが大いにあるでしょう。本譜では、ピンになったe6 のナイトを攻めたて、白は決定的なアドバンテージを得ます。ちなみに42. g5? Rh5! 43. Qf7+ Be7 44. Qxh5?? Nf4+-+ は大失敗なので、先にナイトをルークでアタックしておき、その後でg4-g5 を狙うのがポイントです。

42... Qg8 43. Ra7+ Kc6 44. Ra6+ Kd7 45. Ra7+ Kc6 46. Qc2+!?


オリンピアードのMovsesian 戦ではメイティングネットを完全に張っておきながら、最後の最後で詰めを誤りましたが、今度こそ間違えるわけにはいきません。46. Qf1! Qc8 47. Rc3+ も確実な勝ちです。

46... Kb6 47. Qa2



これで黒のキングはどうしようもなく、黒はメイトを防ぐためにルークを捨てざるをえません。47... Qxg4+ が見えたときは少し冷や汗が出ましたが、a2 のクイーンはきちんと守りの駒がいました(笑)

47... Qxg4+ 48. hxg4 Rh2+ 49. Kf1 Rh1+ 50. Kg2 Rh2+ 51. Kg1 Rxa2 52. Rxa2 Nxd4


これでダブルエクスチェンジアップになった白は、2つのパスポーンを丁寧に押し進めて、ゲームを終わらせるだけです。

53. Rd3 Be5 54. Rg2 Kc5 55. g5 Ne6 56. g6 Ng7 57. Rc2+ Kd6 58. b4 d4 59. b5 Ne6 60. b6 Nc5 61. Rxc5 Kxc5 62. b7 Kc6 63. g7 1-0



2年ぶりのGM戦勝利は、前回と同じ対戦相手、セルビアのIlincic からでした。これで前半戦で早くも2つ目の白星を得て、トーナメントをリードしています。さらに、もう結果をTwitter で知らせているので書いてしまいますが、今日の午前中に行われたFominyh 戦も無事に勝ち、貯金を3つに伸ばしています。これにより、ライブレイティングは自己最高の2392となり、これから午後に行われるBetaneli 戦で白星を収めれば、レイティングはちょうど2400に乗ります! これからノームではなく、初めてIM タイトルのかかった試合を行ってきます。かなり緊張しますが、なんとか無事に終わると良いですね。

12/16 15:30 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Betaneli, A (FM, USA, 2268) 1-0
12/17 15:00 Santarius, E (USA, 2319) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 1/2-1/2
12/18 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Varga, Z (GM, HUN, 2473) 1/2-1/2
12/19 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Ilincic, Z (GM, SRB, 2432) 1-0
12/20 09:00 Fominyh, A (GM, RUS, 2438) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 0-1
12/20 16:00 Betaneli, A (FM, USA, 2268) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/21 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Santarius, E (USA, 2319)
12/22 15:00 Varga, Z (GM, HUN, 2473) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/23 15:00 Ilincic, Z (GM, SRB, 2432) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Fominyh, A (GM, RUS, 2438)

+3 Kojima
+1 Varga, Santarius
0 Fominyh
-2 Ilincic
-3 Betaneli


Santarius - Fominyh は非常に手数の長い熱戦になりましたが、最終的にはドロー。Santarius は間違いなく、2300代後半の実力があるでしょう。そしてイケメンです。


この日は酒井くんも、午前午後ともに1800台に勝って、レイティングを大きく稼いでいます。昨年、Sean, Lyell たちと足を運んだケーキ屋に赴き、祝杯を挙げました。この調子で2人とも、日本にレイティングを持って帰りたいですね。

2014/12/19

Chess in Kecskemet 2014 December GM 3rd round


さて、昨日からは白を持ち、GM との連戦が始まります。Zoltan Varga は、普段ブダペストで試合をすることの多いGM ですが、今回はケチケメートまで出張してきました。長年ハンガリーのGM トーナメントで戦い続けるベテランに挑みます。

Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Varga, Z (GM, HUN, 2473)
Chess in Kesckemet 2014 December GM (3)

1. Nf3 d5 2. d4 c6 3. c4 dxc4 4. e3 Be6!?



Varga は、このSlav の珍しいラインのスペシャリストです。試合前に他のラインも含め、多少準備していたのは助かりました。

5. Nc3 b5 6. a4 7. Ne4 Bd5!?


7... Nf6 と指すのがメインで、こちらは記憶にありませんでした。ここからしっかりと考え始めます。

8. Ned2 c3 9. bxc3 bxc3 10. Nb1 Qa5 11. Qc2 Nf6 12. Qxc3 Qxc3+ 13. Nxc3 e6 14. Nxd5 exd5?



Varga は試合後に、14... cxd5 が最初のアイディアだったが、なぜか心変わりしてしまったとコメントをくれました。黒の最大の弱点であるc6 のポーンを解消しない本譜は、確かに奇妙な手です。c6-c5 と黒はポーンを進めても、今度はd5 が弱点となります。

15. Bd3 Bd6 16. Ke2 Nbd7 17. Bd2 Ke7 18. Rhc1


かなり悩みましたが、私はこうしてシンプルにc6 にプレッシャーをかけることにしました。

18... c5 19. dxc5 Bxc5?!



19... Nxc5 20. Nd4 Nxd3 21. Kxd3 Kd7 と進んでも、まだd4 のアウトポストのコントロールで白が良いでしょう。しかし、せめて白マスビショップは取り返しておくべきだったかもしれません。

20. Bc3! Ne4 21. Bxg7! Rhg8 22. Be5!


この1手が見え、g7 を取れることを確信しました。黒はルークでポーンを取り返せば、そのルークが白陣でトラップされます。

22... Rxg2 23. Bg3! Bd6 24. Bxe4?



試合後に、24. Kf1! Bxg3 25. Kxg2 ならば、リザインするつもりだったと言われ、愕然とします。確かにこうしていれば、白は余計なポーンを失うことなく、純粋にエクスチェンジアップでした。このシンプルな手がなぜ見えなかったのかは、この試合で一番不可解な点です。

24... dxe4 25. Nh4 Bxg3 26. Nxg2


白としては、すぐにエクスチェンジを取るのではなく、26. hxg3 Rh2 27. Rc4 Nf6 28. Rb1 と指すのもありでしょう。h2 のルークはゲームに参加できず、黒は苦しい状況が続きます。もちろん、f2 への攻撃には気をつけなければいけませんが、そこまで他のピースを到達させるのには手数がかかります。

26... Bxh2 27. Rab1 Bd6



24. Kf1 を見落とし、1ポーンを取られてしまったとはいえ、それでも白はエクスチェンジアップで勝勢です。しかし、私の実力不足で、局面をおかしくしてしまいます。

28. Rb7 Ke8 29. a5?!


このポーンは、なるべく黒陣深くに刺して武器とすべきだと考えていましたが、逆に負担になってしまうものでした。29. Nh4! Nc5 30. Rb4!+- と指していれば、白はすぐにナイトを攻撃に参加させることができます。

29... Nc5 30. Rb5 Rc8



私はこのルークが回る1手を過小評価していました。黒は一時的に自らピンを作りますが、白にはそれを利用するうまい方法はありません。

31. Nh4 Kd7 32. Nf5 Bf8 33. Rb4 Re8!


ピンを外して、ルークをアクティブ使うアイディアです。このルークはここから、縦横に広い利きを持ち、黒のディファンスの要となります。

34. Nd4 Re5 35. a6?! Bd6!



こうしてビショップもプレーに戻ってきた黒は、だんだん苦しいポジションを改善しています。私は残り時間がほとんどなく、どうすれば勝てるのか、その方法をすっかり見失ってしまいました。

36. Rb5 h5! 37. Ra1 h4 38. Rh1 Rh5 39. Nb3 Kc6 40. Nd4+ Kd7


ナイトの往復によって40手目に到達し、30分の追加持ち時間を得ましたが、h4 までポーンを進め、それをルークでサポートできた黒は、すでに立ち直っています。

41. Rh3 Be7 42. Nb3 Kc6 43. Nd4+ Kd7 44. Nb3 Kc6 45. Nd4+ 1/2-1/2



完全に勝ちのポジションをドローにしてしまったのは残念ですが、Varga 相手にこうした内容で指せたということは、自信にもなりました。彼のディフェンスのテクニックも、勉強させてもらうことができましたしね。気持ちは次のIlincic 戦に切り替え、今度こそ白星を狙っていきたいと思います。

12/16 15:30 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Betaneli, A (FM, USA, 2268) 1-0
12/17 15:00 Santarius, E (USA, 2319) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 1/2-1/2
12/18 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Varga, Z (GM, HUN, 2473) 1/2-1/2
12/19 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Ilincic, Z (GM, SRB, 2432)
12/20 09:00 Fominyh, A (GM, RUS, 2438) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/20 16:00 Betaneli, A (FM, USA, 2268) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/21 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Santarius, E (USA, 2319)
12/22 15:00 Varga, Z (GM, HUN, 2473) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/23 15:00 Ilincic, Z (GM, SRB, 2432) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Fominyh, A (GM, RUS, 2438)

+1 Fominyh, Kojima, Santarius
0 Varga
-1 Ilincic
-2 Betaneli

この日はGM の一角、Ilincic がアメリカのSantarius に敗れました。また、Fominyh もBetaneli に勝って、3人が+1 となっています。誰がここから抜け出して1歩リードするか、注目の中盤戦がこれから始まります。


この日の夕飯は、会場近くのイタリアンレストランに酒井くんと向かいました。去年の2月、ブダペストから応援に来てくれた友人たちとも訪れた、懐かしの店です。

2014/12/18

Chess in Kecskemet 2014 December GM 2nd round


ケチケメートに戻り、2日目を迎えます。この日は酒井くんが毎日2試合、計20試合をこなすスケジュールを承諾し、朝の9時半からゲームを開始しています。前日ドローになった相手に、怪しげながらも勝利。2R にして、ハンガリーでの初勝利を収めています。


奮闘している酒井くんを置いて、私は朝ごはんへ。前夜のトルティーヤ同様、このパラチンタを食べるとケチケメートに戻ってきた実感が強くなります。屋台で午前中だけおばちゃんが焼いてくれるパラチンタは、2つで100円程度のお手軽朝ご飯です。

私の2日目の相手は、アメリカのSantarius です。ゲームを調べたところ、非常に多くのオープニングを使いこなし、ハンガリーのGM トーナメントでも実績を残している強豪だと分かりました。初手も、1. e4, 1. d4 両方使えるようだったので、指されて困りそうなオープニングだけチェックし、ゲームに臨むことにします。

Santarius, E (USA, 2319) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
Chess in Kesckemet 2014 December GM (2)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 a6 5. Nf3 e6



オリンピアードの最終戦、悔しい負けを喫したSemi-Slav Accelerated Meran を再び投入します。今回は研究通り、2012年のGelfand - Anand と同じ流れになります。

6. Qc2 c5 7. cxd5 exd5 8. Be2 Be6 9. O-O Nc6 10. Rd1 cxd4 11. Nxd4 Nxd4 12. Rxd4 Bc5 13. Rd1 Qe7


ここは13... Rc8 でもイコールですが、あくまでAnand と同じラインにこだわることにします。

14. Bf3 O-O 15. Nxd5 Nxd5 16. Bxd5 Bxd5 17. Rxd5 Rac8 18. Bd2 Bxe3 19. Bc3 Bb6 20. Qf5 Rfd8?!



20. Qf5 をほぼノータイムで指してくるあたり、相手も研究済みのようでしたが、先に実戦例を外したのは私でした。d7 にルークを入られるのを嫌って本譜の手を指しましたが、実際にはイマイチでした。20... Qe6! と指すのが安全で、黒は問題なく戦うことができるでしょう。21. Qxe6? Bxf2+! があるのがポイントだと、試合後にSantarius から指摘されました。

21. Qg4?!


ここは白も長考の末、ベストの手を逃します。21. Re1! Rxc3? (21... Qc7+/=) 22. Rxd8+ Bxd8 23. Kf1!+- お互いにこの最後の手を見逃し、ルークはe1 に回れないものだと勘違いしていました。

21... f6 22. Rxd8+ Rxd8 23. Re1 Qf7 24. a3 Re8 25. Rxe8+ Qxe8 26. h4 Qc6



黒は2つのルークを交換してしまい、満足なポジションに持ち込むことができました。しかし、このゲームはここからが長かったです。

27. h5 h6 28. Qe2 Kf7 29. Qd3 Kg8


私はb6 にビショップ、c6 にクイーンを置く形が最も良いと信じ、ひたすら待つことを決心しました。e8,d8,c8 のバックランク3マスに加え、e6,d5,c4 も抑えていて、ほとんどチェックされる心配がないことが、この2ピースの配置のポイントです。

30. Bd2 Kh8 31. g4 Kg8 32. Bf4 Kh8 33. Bd2 Kg8 34. Kf1 Kh8 35. Bc3 Kg8 36. f3 Qc5 37. Ke2 Qc6 38. Qf5 Qc4+ 39. Qd3 Qc6 40. Kd1 Qa4+ 41. Kc1 Qc6



白は、キングがとことことクイーンサイドまで移動してきましたが、大きなポジションの改善になっているようには思えません。

42. Kb1 Kf8 43. Qf5 Kg8 44. f4!? Be3!


白はf2-f4 から、g4-g5 で勝負を仕掛けようと画策しますが、19手目以降、沈黙を守っていたビショップがいよいよ動き出します! こうしてf4 のポーンをアタックし、g4-g5 を止めておけば、白はブレイクができません。逆に次のQc6-Qc4 によって、f4 のポーンが落ちて困ってしまいます。

45. Bb4 Qc1+ 46. Ka2 Qc4+ 47. b3 Qe2+



これで最低でもドローが保証された私は、残り時間を使って優勢になるアイディアを探しますが、結局は見つからずじまいでした。47... Qxf4 48. Qc8+ Kh7 49. Qc2+ (49. Qf5+!? Qxf5 50. gxf5 Kg8 51. Kb2 Kf7 52. Kc3 Bf4 53. Kc4 Bc7 54. Kd5=) 49... f5 50. gxf5 Kg8 (50... Qf2 51. Qxf2 Bxf2 52. Kb2 Kg8 53. Kc2 Bd4 54. Kd3 Bb2 55. Ke4 Kf7=) 51. Qc8+ Kh7 52. Qc2= 勝負を続けようとしても、今度は白からパペチュアルチェックでドローとなります。

48. Kb1 Qd1+ 49. Ka2 Qe2+ 50. Kb1 Qf1+ 51. Ka2 1/2-1/2


この試合は指したラインから言っても、ドローで満足でしょう。問題は今日からの2日間、白で続くGM 戦です。初対戦のVarga と、3戦目となるIlincic を相手に、1.5P が取れれば上出来と言えます。2人のベテランGM 相手に、どういったゲームができるか、楽しみにしています。

12/16 15:30 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Betaneli, A (FM, USA, 2268) 1-0
12/17 15:00 Santarius, E (USA, 2319) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 1/2-1/2
12/18 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Varga, Z (GM, HUN, 2473)
12/19 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Ilincic, Z (GM, SRB, 2432)
12/20 09:00 Fominyh, A (GM, RUS, 2438) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/20 16:00 Betaneli, A (FM, USA, 2268) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/21 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Santarius, E (USA, 2319)
12/22 15:00 Varga, Z (GM, HUN, 2473) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/23 15:00 Ilincic, Z (GM, SRB, 2432) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/24 15:00 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Fominyh, A (GM, RUS, 2438)

+1 Kojima
0 Varga, Fominyh, Ilincic, Santarius
-1 Betaneli

スケジュールには多少の変更があり、20日が1日2試合となり、終了が1日早まりました。黒番で1日2試合を指さなければいけない20日は、なかなか厳しい戦いになりそうですね。酒井くんは逆に26日の午前中まで試合をし、午後にブダペストで合流する予定です。


この日の夕飯は、Fang の母親とGM Fominyh が作り、私たちにもご馳走してくれました。Fominyh が作ってくれたのは、本場のボルシチです! こうして中国、マレーシア、ロシア、日本のプレーヤーと家族が、ハンガリーの田舎町で交流するというのは、なかなか珍しいことですね。明日はマレーシアのDing の母親が夕飯を作ってくれるそうで、ケチケメート滞在中、これからもお世話になりそうです。


夕飯後はクリスマスマーケットへ。マレーシアの16歳、Ding, Tze How Dilwen は、First Saturday FM クラスで優勝し、レイティングを170稼いでいます。今大会でもFM クラスで連勝スタートを切っており、これから酒井くんの前に強敵として立ちはだかることになります。

2014/12/17

Chess in Kecskemet 2014 December GM 1st round


16日からは休む間もなく、ブダペストからケチケメートへ移動して、新しい大会の始まります。今回のケチケメートでは珍しく、GM, IM, FM 全セクションでの試合が開催されます。私はFS に引き続き、GMクラスへ、FS で戦った中国のFang はIM クラスへ、ロンドンから合流した酒井くんはFM クラスへの参加となります。

各クラスとも、参加者は6名のダブルラウンドロビンで、私の相手はレイティング最下位のアメリカのFM、Betaneli でした。白も引けましたので、FS 最終戦の勢いそのまま、是非ポイントを取りたいところです。

Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Betaneli, A (FM, USA, 2268)
Chess in Kesckemet 2014 December GM (1)

1. Nf3 d5 2. d4 c6 3. c4 e6 4. Qc2 Nf6 5. e3!? Ne4!?



昨年、スペインのWinter Chess に参加した際もこの変化に遭遇しましたが、黒はSemi-Slav Anti-Meran ではなく、Stone Wall 型を望みます。実はFS で、Fominyh 戦のためにこの変化を黒で研究しており、なるべくメインの5. Bg5 は避けたいところだったのですが、次回は思い切って指してみることにします。

6. Bd3 f5 7. O-O Bd6 8. b3 O-O 9. Bb2!?


ここは9. Ba3 と指し、黒のアクティブなビショップを交換しにいくのがStone Wall のセオリーですが、この試合ではビショップを残してみることにします。

9... Rf6 10. Ne5 Rh6 11. g3 Qg5 12. Qe2 Rh3



このルークの使い方は少し怪しくも見えますが、ひとまず白はf2-f3 を突けないので、e4 のナイトをどうするかに頭を悩ませます。

13. Nd2 Nd7 14. Rfd1


この時点でのアイディアは、Nd2-Nf1 と退き、g3 とh2 をを守って、f2-f3 を突くことにあります。黒のアタックをしのげば、h3 にいるルークを戻すのに手数がかかる分、白は優位にゲームを進めることができるでしょう。

14... Nxe5! 15. dxe5 Bb4 16. Nf3



黒のNe4-Nc3 を嫌ったために、ナイトはf1 ではなく、f3 に向かうことになりました。これでキングサイドの状況は、複雑なまま保たれることとなります。

16... Qh6 17. Qf1 g5 18. cxd5?


センターポーンを交換しておくことが、どちらにとって得になるかは評価の難しいところです。白はe5 をパスポーンにできますが、黒は白マスビショップがアクティブになります。しかし、実際には黒に攻撃のチャンスを与えてしまうため、このタイミングでのポーン取りは悪手でした。

18... exd5?


黒は18... g4! のタイミングを逃しました。私は最初、Nf3-Nh4 でも良いと思っていたため、このポーン突きをあまり警戒していませんでしたが、よくよく考えれば、黒にはBb4-Be7 というビショップ退きがあるため、h4 の位置はナイトの跳ぶマスとして良くありません。

19. Qg2! g4 20. Nd4



こちらがナイトの跳ぶ正しいマスです。形勢は不明ですが、相手の持ち時間がかなり少なかったうえ、いくらでもチャンスは作れるポジションですので、とにかくゲームを続けます。

20... Be6 21. Rac1 Rf8 22. Be2 Bc8 23. Rc2 Re8 24. Bf1 Ng5 25. f4!


Ne4-Ng5 は、特に警戒していたアタックでしたが、これは対しては思い切ったアイディアでディフェンスを試みます。2段目に上げたルークでh2 を守っているので、アンパッサンからピースを捌いた後は、白がf5 を攻める番となります。

25... Ne4 26. Rdc1 Qf8 27. Qe2 Rh6 28. Bg2 Rg6?



26手目のドローオファーを蹴り、ゲームを続けているとようやくチャンスが巡ってきました! ここからは完全に白が優位に立ちます。

29. Bxe4! dxe4 30. Qc4+ Be6 31. Nxe6 Rgxe6 32. Rd1+/-


お互いに白マスビショップをセンターのナイトと交換した後は、先にオープンファイルを抑え、パスポーンを持つ白が大きく優勢です。

32... Ba5 33. Rd7 Bb6 34. Re2 Qc5 35. Qxc5 Bxc5 36. Rxb7 Rd8 37. Kf2 Re7 38. Rxe7 Bxe7 39. Rc2 c5 40. Ke2 Kf7 41. Rd2?



私も時間をぎりぎりまで使い、この1ポーンアップのエンドゲームに突入しました。ところが時間が増えた直後、私は大きな判断ミスをします。それはルークを交換した同色ビショップエンディングでも、白が勝つ十分なアドバンテージがあると思ったことです。しっかりと考えれば、1ポーンアップですでにパスポーンはあっても、白のキングサイドのパスポーンは全てビショップと同じ色におり、キングも上がれるチャンスがないので、勝のが容易でないことはわかったはずです。正しくは、41. Rc4! Rc8 42. Ra4 Rc6 43. Kf2 とルークを残し、a, c ポーンを攻撃するプランでした。40手目で時間が増えたことに安心し、緩い手を指してしまったことは、この試合での最も大きな反省のポイントです。

41... Rxd2+ 42. Kxd2 h5?


ところが、さらに黒も方針を誤ります。彼はh7-h5-h4 とポーンを進めておくのが正しいディフェンスだと思ったようですが、これは後でもできることですので、まずは基本通りにキングを上げるべきでした。42... Ke6 43. Ba3 Kd5 こうなると、白はどこでポジションを改善すべきなのか、よく分からなくなります。

43. Bc3?!



このアイディア自体は面白いのですが、h4 のポーンを取って良い(むしろ、取らないといけない) とこの時点で判断でていれば、私はキングを先に進めていたでしょう。43. Kc3! h4 44. gxh4 Bxh4 45. Ba3 Be1+ 46. Kc2 Bb4 47. Bxb4 cxb4 48. Kd2 Ke7 49. Ke2 Kf7 このポーンエンディングは、間違いなく白の勝ちです。黒はビショップを交換せずとも、白はc5 を取って勝勢になるでしょう。

43... h4?! 44. gxh4! Bxh4 45. Ba5!


私はこうしてアクティブにしたビショップに、わずかな勝ちのチャンスを託すことにします。彼の勘違いは、h4 に到達したビショップは、h2 を取りにいけると思ったことでしょう。45... Bf2 46. Ke2 Bg1? となれば、白はh2 を取られた時点でKe2-Kf2 と寄り、黒のビショップを閉じ込めることができます。

45... Ke6 46. Bc7 Kd5 47. Bd6 a6 48. Bf8 Bd8 49. Kc2 Ba5 50. a3!?



私はここで1つの勝ちのプランを考え、そのための準備としてa2-a3 を伸ばしておくことにします。

50... Bb6 51. Bd6 Bd8 52. Kd1 Ba5?


この手を見て勝ちを確信しましたが、私はこれが無くても白にチャンスがあると思っていました。しかし、検討戦では相手から、Bd8-Bh4 を繰り返していれば、黒は問題ないのではないかと指摘されました。私の作戦は、c5 のポーンをアタックして黒キングをd5 にとどめておき、その間に白キングがg2 まで向かって、h2-h3 からポーンを交換することでした。ところが、キングがg2 にいる時点ですでにBh4 の位置で待ちかまえられていると、ポーン交換の後で、Bh4-Bf2 からe3 のポーンが落ちます。これを防ごうとするならば、Bd6-Bf80-Bg7-Bf6 のようなアイディアしかありませんが、ビショップがc5 のアタックから離れれば、黒は本譜のBd8-Ba5 が可能となり、別の方面からe3 を狙うことができるようになります。そうなると、白はポジションを改善することができず、やはりドローなのでしょう。勉強になりました。

53. Bxc5!



彼がなぜ、この手を見逃したのかは分かりませんが、私としては勝ちになるオンリーチャンスです。b3-b4 からポーンフォークを入れ、白勝ちのポーンエンドゲームに持ち込むことが、a2-a3 の狙いでした。

53... Bd8 54. b4 Bh4 55. Bd6 Bd8 56. Ke2 Bb6 57. Kf2 1-0


かなり怪しいゲームでしたが、なんとか勝利を収めました。GM トーナメントでの初戦白星は、これが初めてのことです! この貯金を守って2戦目からを戦いところですが、そう簡単ではないでしょう。それでも、今日からまた、頑張っていこうと思います。

12/16 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Betaneli, A (FM, USA, 2268) 1-0
12/17 Santarius, E (USA, 2319) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/18 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Varga, Z (GM, HUN, 2473)
12/19 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Ilincic, Z (GM, SRB, 2432)
12/20 Fominyh, A (GM, RUS, 2438) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/21 Betaneli, A (FM, USA, 2268) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/22 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Santarius, E (USA, 2319)
12/23 Varga, Z (GM, HUN, 2473) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
12/24 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Fominyh, A (GM, RUS, 2438)
12/25 Ilincic, Z (GM, SRB, 2432) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)

+1 Kojima
0 Varga, Fominyh, Ilincic, Santarius
-1 Betaneli

試合のスケジュールは暫定のもので、訂正が入るかもしれません。初戦で決着がついたのは、私だけでしたね。酒井くんは1800台とドロースタートでした。まだまだクリスマスに向け、ハードな試合が続くことでしょう。


ライトアップされた古い教会。今夜はケチケメートのクリスマスマーケットが閉まる前に、試合が終われば良いのですが...


ケチケメートと言えば、昨年もお世話になった、トルティーヤです。周りの店が閉まっても、トルティーヤ屋さんだけは遅くまで営業しています。

2014/12/16

FS 2014 December GM 9th round


クリスマスマーケットの屋台にも、チェスセットが並びます。

12月のFS は、昨日最終戦を終え、今日からは南の町、ケチケメートへと戦いの舞台を移します。ブダペストの最終戦は、3連勝スタートを切り、7R まではGM ノームのチャンスがあったIM Torma Robert との対戦です。

Torma, R (IM, HUN, 2417) - Kojima, S (FM, JPN, 2356)
First Saturday Dec 2014 GM (9)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. e3 Bg4 5. Nc3 e6 6. Qb3 Qb6 7. Nh4 Bh5 8. h3 Na6!?



Slav 4. e3 対策を、かつて愛用していた4... Bg4 に戻してから初めて、この懐かしいラインを指します。イスラエルのGM Averbukh Boris が、自身の本の中でおススメとして紹介し、一世を風靡したこの変化も、私は前日に散々ゲームを並べて、新しいアイディアを投入しました。かつて私は、8... Be7 9. g4 Bg6 10. Nxg6 hxg6 11. Bg2 g5 12. Bd2 Na6!? という変化を指していましたが、本譜のほうがa6 にナイトを出す狙いが分かりやすいでしょう。

9. g4 Qxb3 10. axb3 Nb4 11. Ke2 g5!?


11... Bg6 も指せますが、私はどうせ白マスビショップを諦めるのであれば、マテリアルを取って勝負することにします。

12. gxh5 gxh4 13. Ra4 Rg8!



このルークはすぐに侵入するマスはありませんが、ひとまずオープンファイルを抑えて、白からのRh1-Rg1 を防いでおきます。

14. Kf3 a5!?


将来的にターゲットにもなりうるので、評価の難しい手です。f1-a6 のダイアゴナルが開いた以上、ナイトをa6 に退くことはありえないので、b4 のナイトを安定させておきます。

15. e4 dxe4+ 16. Nxe4 Nxh5 17. Bd2 Be7 18. c5 Kd7 19. Bc4 Nf6



19... f5 20. Nc3 が最初に考えたアイディアでしたが、自らe6 とe5 を弱めることを嫌いました。マテリアルは返してしまうかもしれませんが、盤の端にいる使いづらいナイトと、相手のセンターにいるナイトを交換すること自体は、悪いはずないでしょう。

20. Nxf6+ Bxf6 21. Bc3 Ke7


21... Kc7 も考えていましたが、ナイトが跳んだ際、a5 を取られてチェックでは困ります。

22. Re1 Rad8 23. Re4 Rg1!?



ここはチャンスを求めて、ルークが大胆に侵入しておきます。23... Rd7 も考えていましたが、これは本譜のようにRa5-Ra7 を確認してからで、遅くはありません。

24. Rxa5 Nc2 25. Ra7 Rd7 26. b4 Nxd4+ 27. Bxd4 Bxd4 28. Rxh4 Rb1!


d4 を取った黒は、異色ビショップですが、残ったポーンの狙いやすさにより、わずかに良いと判断できます。b2 のポーンは、次のf2 のことも考え、当然ルークで取りにいきます。

29. b3 Rb2 30. Rxh7 Rxf2+ 31. Ke4?



31. Kg3! Rf5! 32. Ra2 であれば、まだ苦しいながらも、白はすぐに負けることはなかったでしょう。私はd, f ファイルをルークで抑えている以上、e ファイルに逃げた白キングは間違いなく危ないと思い、残り少ない持ち時間で必死に手を考えます。

31... Rf5?


上記のラインにもある手で、コンセプト自体は悪くありません。c5 をアタックしてb4-b5 を防いでおきながら、e5 のマスもカバーしています。残り時間2分を残してこれを指した直後、黒が完全に勝ちになるスレットを見つけ、この手で間違いなかったと確信しましたが、お互いに見逃した好手がありました。実際には、31... e5! 32. Ra5 Rf4+ 33. Kd3 e4+ 34. Ke2 Rf2+ 35. Ke1 e3-+ と指せば、白はマテリアルを諦めざるをえないため、黒の勝ちとなります。

32. Ra2??



おそらくTorma も、次の黒のスレットに気づいたと思いますが、残り時間ぎりぎりまで考えても、正解が見えませんでした。正しくは、32. Ba6! bxa6 33. Rxd7+ Kxd7 34. Kxd4 e5+ 35. Kd3 Ke6=/+ と指すべきで、白はまだ少し劣勢ではあっても、キングの決定的な危機は乗り切っています。

32... Bg1! 0-1


これで次に、33... Rd4# のメイトスレットが、どうしようもありません。この思いがけない最終戦の勝利で、今回のGM Section はレイティング+2.6 の微増で、フィニッシュすることができました! 非常に嬉しい誤算です。

First Saturday GM Dec 2014

12/06 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Fang, X (CHN, 2295) 1/2-1/2
12/07 Flumbort, A (GM, HUN, 2463) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 1-0
12/08 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Medvegy, Z (GM, HUN, 2527) 0-1
12/09 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Arngrimsson, D (IM, ISL, 2386) 1-0
12/10 Benkovic, P (IM, SRB, 2395) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 1/2-1/2
12/11 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Dragnev, V (FM, AUT, 2364) 0-1
12/12 Fominyh, A (GM, RUS, 2438) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 1/2-1/2
12/13 Kojima, S (FM, JPN, 2356) - Golubov, S (RUS, 2382) 1/2-1/2
12/14 Free Day
12/15 Torma, R (IM, HUN, 2417) - Kojima, S (FM, JPN, 2356) 0-1

+3 Medvegy, Z (-1.6)
+2 Flumbort, A (+1.8), Torma, R (+8)
+1 Golubov, S (-4.6), Fang, X (+38.6)
0 Benkovic, P (+1.0)
-1 Kojima, S (+2.6), Golubov, S (-4.6)
-3 Dragnev, V (-19.6)
-4 Arngrimsson, D (-17.8)

最終戦では、独走だったMedvegy が、下位に沈んでいたDragnev に負けるという事件があり、まさかの優勝者がレイティングマイナスです。レイティングの増減だけで見れば、最も低いレイティングでありながら、1つ勝ち越しの戦績を収め、レイティング40近く稼いだFang の一人勝ちと言える大会でした。私と同様にレイティング2400 を目指す彼は、明日、私たちと一緒にケチケ―メートに向かいます。

私にとっては、これまで参加したGM Section の中でも、最も厳しい戦いを強いられてきましたが、最後の勝利で良い流れを引き寄せられたように思います。今日から始まるケチケメートのGM Section では、2ケタ単位でレイティングを稼ぎたいですね。引き続き、応援をよろしくお願い致します。


最終戦後は、久々にアンダンテのオーナーたちとゆっくり外食に出かけました。こちらはハンガリーの食べられる国宝、マンガリッツァ豚のスペアリブです。2年半前からマンガリッツァ豚のことは知っていましたが、おそらく食べたのはこの日が初めてでした。

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