2016/06/18

Saturday Lecture on June 25th 2016


Winter - Capablanca / 1919
Black to Play

【日時】 2016年6月25日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Out of Play
【テーマ詳細】

駒の数はゲームにおいて重要な形勢判断の要素ですが、同様に重要な要素として、駒の働きが挙げられます。相手よりも多く駒を持っていても、それらが働いていなかったり、相手の駒のほうが良い働きをしていれば、形勢は悪くなってしまいます。働きの悪いピースには様々な種類が考えられますが、特にゲームに参加できていないようなものを、Out of Play と呼びます。今回のレクチャーでは、Out of Play について解説をしながら、チェスの駒の働きを考えてみましょう。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満


2016/06/14

Japan Rapid Chess Championship 2016 Day2


更新が2日遅くなりましたが、週末の大会結果報告です。快速選手権2日目、私は3勝1敗で、トータル6勝1敗1ドローの6.5P となりました。7R で私に勝ったAlex が、7勝1敗での優勝です。オープンクラスの順位は、以下のようになっています。

1st Place Averbukh Alex 7/8
2nd Place Kojima Shinya 6.5/8
3rd Place Katsuta Yuki 6/8


3位入賞を果たしたのは、KUCC の後輩、勝田くんです。私とAlex の上位2名にこそ敗れたものの、他6試合をきっちりと勝ちました。特に7R の青嶋くんとのゲームは、完璧に近い内容だったと思います。私の記憶にある限り、このレベルの大会でのオープン入賞は初めてでしょうかね。勝田くん、おめでとう!

私のゲームからは、最終戦の権田さんとの試合を載せておきます。久々に指したCatalan でしたが、良い内容のゲームが指せたと思っています。

Kojima, S - Gonda, G
Japan Rapid Chess Championship 2016 (8)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. g3 d5 4. d4 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O c6 7. Qc2 Nbd7 8. Nbd2 b6 9. e4 Bb7



Catalan Closed の一変化です。これまで、9... dxe49... Ba6 しか指されたことはなく、こちらの変化も実戦で試したいと思っていました。

10. e5 Ne8 11. cxd5 cxd5 12. Re1 Rc8 13. Qa4!


一旦a7 のポーンをアタックしておくことでテンポを稼ぎ、キングサイドアタックの準備を進めます。

13... a6 14. Bf1!?



King's Indian Attack のイメージが強いプレーヤーは、Nd2-Nf1-Nh2-Ng4 というマヌーバリングを考えるでしょう。もちろんそれも良いと思いますが、私は先に白マスビショップを、黒キングに向くd3 のマスに切り替えておきます。私が初めてCatalan を勉強した際、GM Avrukh の本で学んだアイディアです。

14... b5 15. Qd1 Nb6 16. Bd3 Nc7 17. Nf1 f5


この手を入れなければ、黒は白のキングサイドアタックに対抗できないでしょう。白からは、Nf1-Nh2-Ng4、h2-h4、Nf3-Ng5 といった直接的な攻撃があり、黒はディフェンスが厳しくなります。しかし、fポーンを突けば、黒にはe6 のバックワードポーンとe5 のアウトポストができるため、白はそれを利用してゆっくりとチャンスを作ることができます。

18. exf6 Bxf6 19. Bf4 Qe7 20. Rc1 Nc4 21. Qe2



Bd3-Bb1 から、クイーンをb1-h7 のダイアゴナルで重ねるアイディアも考えましたが、ここでは焦らずに、b2 を守りながらe6 へのプレッシャーを増やしておきます。

21... Rfe8 22. h4 Nd6 23. N1d2


黒マスビショップを出した後は、ナイトはd2 に戻ることにします。黒からのNd6-Ne4 という反撃を防ぎつつ、チャンスがあればNd2-Nb3-Nc5(or Na5) というナイトの侵入を狙います。

23... Ba8 24. Ne5 Nc4 25. Ndf3 Bb7 26. b3! Nd6 27. Nc6! Qd7 28. Nfe5+-



ここは最後まで読み切って指すことができました。c6 とe5 という絶好のマスにナイトが侵入した白は、黒のディフェンスの要である黒マスビショップを貰っておき、いよいよ黒キングへの決定的な攻撃を作り出します。

28... Bxe5 29. Nxe5 Qe7 30. Bg5 1-0


ここで黒の時間が落ち、白の勝ちになりました。本譜の代わりに、30. Bxh7+! Kxh7 31. Qh5+ Kg8 32. Ng6 Qf6 33. Be5 Qd8 34. Qh8+ Kf7 35. Qxg7# でも勝ちですが、私が読んでいたのは、30... Qf8 31. Bxh7+! Kxh7 32. Qh5+ Kg8 33. Ng6 Qf5 (33... Qf7 34. Qh8#) 34. g4! Qd3 35. Qh8+ Kf7 36. Ne5#


このような手順と形です。いずれにせよ、h7 を取る手が決定的になりますね。このラインを初めて試せたのは、良い経験になりました。

次回は7月のサマーオープンに参加する予定です。自分の試合だけでなく、生徒たちの試合も7月は多いので、そちらも楽しみにしています。皆さん、また次の大会でお会いしましょう!

2016/06/11

Japan Rapid Chess Championship 2016 Day1


この週末は蒲田で開催されている、快速選手権に参加しています。初日の今日は3連勝の後、昨年この大会で優勝している青嶋くんとの試合になりました。青嶋くんとはこの1年間、IVL でも同じタイムコントロールで試合をしています。

Kojima, S - Aoshima, M
Japan Rapid Chess Championship (4)

1. Nf3 c5 2. c4 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e6 6. Ndb5!? a6?!



このポジションで、青嶋くんはセオリーを知らなかったようです。6... d5 7. Bf4 e5 8. cxd5 exf4 9. dxc6 bxc6 10. Qxd8+ Kxd8 ならばイコールだと思いますが、多くのGM の実戦例もあり、一度試してみたいポジションです。 

7. Nd6+ Bxd6 8. Qxd6 Qe7 9. Bf4 O-O 10. Qxe7 Nxe7 11. Bd6 Re8 12. e4


黒マスビショップを貰い、d6 を抑え込んで、オープニングは完全に白が大きくリードを取りました。さらにこの後、固定したd7 のポーンを攻めたり、b6、d6 のマスを利用することで駒得できることも容易だと考えました。

12... b6 13. e5



青嶋くんからは試合後、13. Na4! Nxe4 14. Nxb6 Nxd6 15. Nxa8+- ならば、すでに白の駒得は十分なものでないかと指摘されました。本譜も悪くないですが、確かにこちらがシンプルで良さそうです。

13... Nf5 14. Bc7 Ra7 15. Bxb6 Rb7 16. c5 Nd5 17. Nxd5 exd5 18. O-O-O


b6 のポーンを取った白は、遅れ気味だったギャンスリングも済ませ、全てのピースを使える状態にします。e5 のポーンを返す間に、白マスビショップとルークを素早く使い、黒のピースが連携を取れていない間に速攻を決めようと考えました。

18... Rxe5 19. f4



f4 のポーンを取らせている間にeファイルを抑えるのが私のアイディアでした。しかしここでは、さらに確実に白勝ちを決める手がありました。19. Bxa6! Rxb6 20. cxb6 Bxa6 21. Rhe1 Re6 22. Rxe6 dxe6 23. Rd3+- b6 にできた強力なパスポーンは、白に十分なアドバンテージをもたらします。

19... Re4 20. Bd3 Rxf4 21. Rhe1 Kf8 22. Re2


ここでも、22. g3 Rf3 23. Bxa6! Rxb6 24. cxb6 Bxa6 25. Rxd5+- のアイディアが使えました。

22... Nd6 23. Rde1?



試合中に迷っていた、もう一つの手が正解でした。23. Bd8! Ne4 24. Bxa6 Rb8 25. Bc7 Bxa6 26. Bxb8 Bxe2 27. Bxf4 Bxd1 28. Kxd1+- このように進めば、白が確実に価値のエンドゲームでしょう。

23... Ne4 24. g3 Rf6 25. Bxe4 dxe4 26. Rxe4 Re6


ポーンを返してしまっても、ルークを交換してしまえば、異色ビショップで安全にドローの取れそうなポジションになります。この先は白にチャンスは無かったでしょう。

27. b4 d6 28. Kd2 dxc5 29. Bxc5+ Ke8 30. Rxe6+ Bxe6 31. Kc3 Kd7 32. Rd1+ Kc6 33. Rd6+ Kb5 34. a4+ Kxa4 35. Rxa6+ Kb5 36. Rd6 h5 37. h4 g6 38. Kd4 Rd7 1/2-1/2



悔しいドローですが、まだ前半が終わっただけです。明日は唯一4連勝のヒーバートくんとの試合になるので、ここで勝って逆転トップに立ちたいですね。4R後のブリッツ大会も4.5/5 で優勝できたので、手はきちんと見えているはずです。明日の残り4試合も頑張ってきます!

2016/06/10

The Highest Level Training in Japan on 8th June 2016


一昨日の水曜日、羽生さんと久々にチェスのトレーニングをしてきました。持ち時間は25分+1手30秒で、通常のラピッドよりも長めのゲームを白黒1局ずつ指します。今回は午前中に指した、黒番のゲームをご紹介します。

Habu, Y (FM, JPN, 2399) - Kojima, S (IM, JPN, 2394)
Training (1)

1. Nf3 Nf6 2. c4 c6 3. g3 d5 4. Bg2 dxc4 5. O-O Nbd7 6. Qc2 Nb6 7. Na3 Qd5!?



2009年に参加したベトナムのゾーン選手権で指して以来、久々にこの変化を使ってみました。クイーンを早々に何度も動かす手は普段あまり指しませんが、このポジションではc4 を簡単に取り返させてしまうと、白はセンターポーンの厚みで優勢になるため、黒は何らかの工夫が必要です。ちなみにこの数年で、7... Be67... b5 も指しています。

8. Ne1


English Opening のエキスパートであるGM Mihail Marin であれば、ポーンのギャンビットを推奨するでしょう。8. b3!? cxb3 9. axb3 と進んだ場合、白はポーンを捨てていますが、センターポーンの厚みとクイーンサイドへのプレッシャーで代償を取れそうです。

8... Qd4 9. e3 Qg4 10. f4 Qf5! 11. e4 Qc5+ 12. Kh1 e5!



序盤、このように進んで黒は満足です。黒マスビショップのダイアゴナルを開きつつ、白のセンターを崩しにいきます。

13. fxe5 Ng4 14. d4 cxd3!?


検討戦では、d4 を取るのは危なく、人間的な判断ではないだろうとの結論になっています。しかし、14... Qxd4 15. Nf3 Qd3 16. h3 h5!? このようになれば黒良しだとコンピュータは指摘します。私としては、欲張って駒得を広げようとするよりも、g4 のナイトをプレーに戻すことや、ピースの展開の遅れを取り戻したいところです。

15. Nxd3 Qxc2 16. Nxc2 Be6 17. b3 O-O-O 18. Nce1?!



この手は私にとって意外でした。18. Nf4 からe6 のビショップを狙い、Bg2-Bh3 も含めてポーンを取り返すアイディアのほうが良いと思います。

18... Nd7 19. Bf4 h6 20. h3 g5


ここから局面は大きく特徴を変えます。ピース交換を進め、黒が満足なエンドゲームに突入します。

21. hxg4 gxf4 22. gxf4 Bxg4 23. Bf3 Bxf3+ 24. Nxf3 Nc5 25. Nf2 Nd3 26. Nxd3 Rxd3 27. e6?!



このポーンサクリファイスは予想していなかったわけではなかったですが、それでも成立するか自信はなく、あまり深く読んではいませんでした。これ以外の選択肢であれば、ルークを交換するアイディアを考えますが、27. Rad1 Rxd1 28. Rxd1 Rg8 29. Rg1 Rxg1+ 30. Kxg1 b5 となった場合、クイーンサイドポーンマジョリティとビショップを持つ黒にとって、楽な展開であることは間違いないでしょう。

27... fxe6 28. Ne5 Rg3 29. Rg1 Rh3+ 30. Kg2 Rc3 31. Kh2 Bd6 32. Ng6 Rd8 33. Rg2 Re3


ここは細かい差ですが、33... Rf3! のほうが後々相手キングをfファイルでカットオフしている分、本譜よりも良かったかもしれません。

34. e5 Ba3 35. Rag1 Rdd3 36. Rg3 b5!?



27手目の時点では、クイーンサイドポーンマジョリティとビショップを持っているならば、ルークを2つ交換して勝ちのチャンスがあるエンドゲームだと考えていました。しかし、ここでは白がキングの位置を改善していることもあり、勝てるという自信が揺らぎました。そこでルーク交換は1つにしておき、bポーンを進めておいて様子を見ることにします。

37. Rxe3 Rxe3 38. Rg2 Kb7 39. Rd2 Kb6 40. Kg2 Bb4 41. Rf2 c5?


この試合で初めて、黒に悪手らしい悪手が出ました。41... Bc5 からf2 を抑え、ゆっくりとクイーンサイドを進めておくのが良かったでしょう。時間がなかったこともあり、白の次の手は指されるまで全く気付きませんでした。白はe6 のポーンを奪い、2コネクテッドパスポーンを作って反撃します。

42. Nf8! c4 43. Nxe6 Be1?



お互いに検討戦でも気づいていませんでしたが、この2つ目の悪手で形勢は逆転しています。ビショップはもぐり込んでいたほうが、パスポーンのサポートをしやすいと思ったのが完全に勘違いでした。43... c3 44. Rc2 Bc5-/+ としておけば、まだまだ黒が優勢です。

44. Rf3 Rxf3 45. Kxf3 c3 46. Nd4 Kc5 47. Nc2?


しかし、羽生さんもここでは時間がなく、不正確な手が出てしまいます。47. Ke4! Bf2 48. e6! (48. f5? Bxd4 49. f6 Bxe5 50. Kxe5 c2 51. f7 c1=Q 52. f8=Q+ Kb6-/+ では黒優勢です。) 48... Kd6 49. Nxb5+ Kxe6 50. Nxc3+/- なんと白は黒のポーンを2つ奪えてしまいます。検討戦では、47. Ke4 のほうがベターであることは気づいていましたが、fポーンではなくeポーンから進めるべきであることを、お互いに見落としていました。

47... Bh4?



ここはミスの応酬が続きます。2コネクテッドパスポーンを止めるためには、h4-d8 のダイアゴナルを抑えるべきだと判断しましたが、虎の子のc3 を落としてしまっては、再び白優勢に転じてしまいます。47... Bd2! 48. Kg4 Kd5 49. Kf5 Kc5 50. Ke4 h5 51. Kf5 h4 52. e6! (52. Kg4? Kd5 53. Nb4+ Ke6 54. Nc2 h3 55. Kxh3 Bxf4 56. Kg4 Kxe5-+) 52... h3 53. e7 h2 54. e8=Q h1=Q= このようにクイーンを作り合ってイコールであるというのは、なかなか読めない難しい変化です。

48. Kg4?


試合の結果を決める最後の悪手は、白を持つ羽生さんから飛び出しました。hポーンではなく、cポーンを狙いにいけば白の勝勢です。48. Ke4! Kc6 49. f5 Kd7 50. Kd3+-

48... Bd8-/+ 49. Kh5 Kd5 50. Kxh6 Ke4 51. Kg6 Kxf4 52. e6 Ke4



お互いにポーンを取り合いますが、ナイトでパスポーンをブロックしている白のほうが厳しい状況です。ここからはもう少しスムーズに勝てると思いましたが、時間がなくなかなか正確な手をすぐには見つけられませんでした。

53. Kf7 Kd3 54. Nb4+ Kd2 55. Nc6 Bh4 56. Nd4 c2


ビショップを取られても、先にクイーンを作れば勝つチャンスはあるでしょう。もちろん、確実に黒だけがプロモーションできるアイディアを見つけられれば良かったのですが、ナイトとキングに追い立てられたビショップに逃げ場は無く、黒の選択肢はポーンを進める以外にありません。

57. Nf3+ Kd3 58. Nxh4 c1=Q 59. e7 Qf4+



試合中はまだ結果が読めず、チェックを続けながら勝つ方法を模索します。黒はキングがクイーンサイドに近いため、ナイトを取ってからクイーンを交換し、勝ちのポーンエンディングに持ち込めるチャンスがあるはずだと信じます。

60. Kg7 Qe5+ 61. Kf7 Qf4+ 62. Kg7 Qe5+ 63. Kf7 Qd5+ 64. Kf8 Qd6 65. Kf7 Qd7 66. Kf8 Qd6 67. Kf7 Qd5+ 68. Kg7 Qd4+!


62手目でもできた、このチェックで勝てることを読み切りました。

69. Kf7 Qxh4 70. e8=Q Qh5+



これでポーンエンディングに持ち込みます。白キングの動きは2通り考えられますが、どちらも黒が勝てるでしょう。

71. Ke7 Qxe8+ 72. Kxe8 b4 73. Kd7 Kc3 74. Kc6 Kb2 75. Kc5


75. Kb5 Ka3 76. Ka5 a6!-+ 白キングの寄るマスがすぐにb5 ならば、これでツークツワンクとなり、黒の勝ちです。

75... a5 0-1



最後はこの手以外は白の勝ちとなります。改めてエンドゲームの難しさを体験しました。今月はもう1回、羽生さんとトレーニングをする機会があるかもしれませんので、そちらも良いゲームができるように頑張ってこようと思います。



2016/06/05

武蔵野チェス大会 Tournament Report


昨日は吉祥寺で開催された、武蔵野チェスクラブの大会に参加をしてきました。武蔵野の大会は毎年6月と12月に開催されており、これまで見学には行ったことのあるものの、参加はしたことがありませんでした。40分の指しきりを午前午後で2局ずつ、計4局指す非公式戦の大会ですので、前の週のIVL に比べて、リラックスしながら試合に臨んできました。

Tsunoda, M - Kojima, S
Musashino Chess (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Bd3 dxe4 4. Bxe4 Nf6 5. Bd3 Bg4 6. Nf3 e6 7. O-O Nbd7 8. c4 Bd6 9. c5 Bc7 10. b4 h6 11. Be2 O-O 12. Nc3 Re8 13. Qc2 Bf5 14. Bd3 Bxd3 15. Qxd3 a5 16. Ba3 e5!



センターのブレイクはこのタイミングで良いでしょう。d4 のポーンを崩し、c5 を弱くします。

17. Rfe1 exd4 18. Rxe8+ Qxe8 19. Re1


本譜の流れを見る限り、19. Nxd4 Qe5 20. Nf3 Qh5-/+ と指すほうが白は粘れたと思います。それでも伸ばしすぎたc5 が負担になるうえ、キングサイドへの攻撃のチャンスで黒が優勢でしょう。

19... Ne5! 20. Nxe5 Bxe5 21. Ne4?!



21. f4 dxc3 22. Rxe5 Qd7 23. Qxc3 axb4 24. Bxb4 Rxa2-+ 試合中、この変化を読んで黒勝ちだと思い、19... Ne5 を実行しました。通常、自らのピースをピンにしにいくのは抵抗がありますが、ここではc3 のナイトとの交換で黒は十分です。

21... Qd7 22. Nd6?


ここで2つ目のポーンを諦めてくれるのであれば、黒は簡単に勝つことができます。22. bxa5! Rxa5 23. Nd2 であれば、苦しいながらもゲームを続けることができそうです。

22... Bxd6 23. cxd6 Qxd6 24. b5 c5 25. Rc1 b6 26. g3 Qd5 27. Rc2 Re8 28. Re2 Rxe2 29. Qxe2 d3 30. Qd2 Ne4 0-1



この試合を含め、4試合をきっちりと勝ち切り、全勝で優勝することができました。運営と参加者の皆さん、お疲れ様でした! この日は、千葉でTuさんの同時対局イベントもあっただけに、参加人数が少なくならないかと心配していましたが、むしろ普段より多いぐらいでしたね。1日楽しませてもらえ、感謝しています。


武蔵野チェス大会では、全勝優勝者のみ、トロフィーに名前を残すことができるという面白いルールがあります。過去の全勝優勝者の中には、懐かしい名前も見つけることができました。ちなみに今回が、ちょうど40回目の大会でした。


お昼ご飯は近くの新潟タレカツのお店へ。吉祥寺はゆっくり時間を取って、散策してみたい街です。

2016/06/02

Weekly Chess Puzzle Vol.25


Baba, M - Kojima, S
Tokyo Open 2007(6)
Black to move


Looimans, K (NED, 2152) - Kojima, S (JPN, 2156)
Japan Chess Championship 2007(9)
Black to move

今夜はどちらも黒番のタクティクスです。両方ともルークがビショップに狙われていますが、黒はどのように指せば良いでしょうか。答えが分かった方は、いつも通りコメント欄にどうぞ。

2016/06/01

ラジオ番組出演情報

急な告知ですが、今夜の26時頃(6/2 の午前2時頃) から、JFN のON THE PLANET という、ラジオ番組に出演することになりました。電話で10分ほどのトークのみの予定ですが、遅くまで起きている方は是非チェックしてみてください。

ON THE PLANET


ラジオ番組は4回目の出演ですが、生放送で喋りが下手だと恥ずかしいので、毎回緊張しますね(笑) 短い時間ですが、リスナーのかたにチェスの魅力をお伝えできるよう、頑張ってきます!

2016/05/29

22nd IVL Tournament Report


今日は22回目となるIV League が開催されました。私は仕事のため、午前2試合のみの参加で、午後の3試合は蒔田くんとバトンタッチです。初参加のTu さんを含め、7名の参加者でラウンドロビンが行われ、結果は以下のようになりました。

1st Place Baba Masahiro 4.5/5
2nd Place Kojima Shinya & Makita Hiroshi 4/5
3rd Place Tran Thanh Tu 3.5/5


馬場さんは4連勝後、Tu さんとドローで後続を振り切り、3回目の優勝を決めました。馬場さん、おめでとうございます! 私はTu さんと桑田くんに勝ちで抜け。交代した蒔田くんは、馬場さんにこそ負けたものの、残り2戦を勝って、私と蒔田くんペアが2位となりました。日本チャンピオンになったばかりのTu さんは、初戦で私に負けたのが響き、追い上げも届かず3位止まりです。参加した皆さん、お疲れ様でした。

Kojima, S (IM, JPN, 2400) - Tran Thanh Tu (CM, VIE, 2290)
22nd IVL (1)

1. d4 Nf6 2. Nf3 e6 3. c4 b6 4. g3 Ba6 5. Qa4 Bb7 6. Bg2 Be7 7. Nc3 O-O 8. Qc2 c5 9. d5!?



Queen's Indian で始まったゲームは、私の好きなd4-d5 ギャンビットとなりました。とは言え、このタイミングでのポーン捨ては私も経験が無く、手探り状態です。21st Century Gambit (1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 b6 4. g3 Ba6 5. Qc2 c5 6. d5 exd5 7. cxd5 Bb7 8. Bg2 Nxd5) との違いを考えながら、黒のd7 のポーンを弱点として残す方法を模索します。

9... exd5 10. cxd5 Na6 11. a3 Nxd5 12. Nxd5 Bxd5 13. Bf4 Bc6 14. Rd1 Rc8 15. O-O Nc7 16. e4?!


d7 を残すのであれば、このようにd5 のマスを抑えるべきだと考えましたが、ポーンの代償は十分ではないでしょう。代わりにここでは、シンプルにポーンを取り返す方法があります。16. Ne5! Bxg2 17. Kxg2 d5 18. Nc6 Qd7 19. Nxe7+ Qxe7 20. Bxc7 Rxc7 21. Rxd5+/= 白は少し良いと思いますが、黒がきちんと指せばドローになりそうです。

16... Ne6 17. Be3 Qc7 18. Rd2 Bf6 19. Rfd1 Qb7 20. Nh4!?



e4 を守るのであれば、この手しかないと判断しました。ポーンストラクチャーを乱しても、e4 を残し、d7 をアタックできるチャンスを窺います。

20... Bxh4 21. gxh4 Qc7 22. Rd6 Qd8 23. h5 h6 24. e5 Bxg2 25. Kxg2 Qh4?!


ここは思わず飛び出したくなる形ですが、白に簡単にd7 を返してしまうのは危険です。25... Rc7=/+ と落ち着いてポーンを守り、白のキングサイドの弱さを突くのは後にするのが良かったでしょう。白はアタックとディフェンスを兼ねた次の手で、互角以上の形勢にできそうです。

26. Qf5! c4 27. Rxd7 c3 28. bxc3 Rxc3 29. Rxa7 b5?



29... Rc4 30. h3! Nf4+ 31. Kh2+/- これでも白は有利ですが、時間の無い中、このように正確に指せた自信はありません。本譜では、f7 へのアタックを早く作った白が、決定的なチャンスを得ます。

30. Rdd7!+- Nd8 31. Ra8 Rc4 32. Raxd8!


このディフレクションで勝負ありです。白はクイーンでf7、g7 を取れればメイトです。

32... Rg4+ 33. Kf1 Rxd8 34. Rxd8+ 1-0



最後はg4 のルークを取り、ピースアップで白勝ちです。序盤、少し無理をしすぎましたが、中盤でうまく守りながら、盛り返せたのは良かったですね。オリンピアードまで様々なトレーニングをして、地力をつけていきたいと思います。

2016/05/21

盤上のポラリス最終巻発売


5月17日に、盤上のポラリスの最終巻である、第4巻が発売されました。3月の記事でも書いた通り、最後は一兵がライバルの青と決着をつけ、ひめとの再会を果たすという流れで物語は幕を閉じます。是非、皆さんも単行本をお手に取って、中身をチェックしてみてください。私も先日、献本が届いたので、あらためて一冊分を通して読んでみましたが、この棋譜は名古屋にいるときに作ったな、この棋譜は苦労したな、などと思い出が甦り、連載終了時とはまた違った感慨にふけることになりました。

最終巻発売の前の週には、作画の若松さんや編集さんと連載終了の打ち上げの席でお会いし、チェスや作品にかけた想いについて色々と話をすることができました。漫画の世界の裏話なども聞けて、とても面白いかったです。昨年のミュージカルの際にも感じたことですが、作品作りには多くの時間とエネルギー、そして様々な人の協力が必要となります。漫画に限らず、またこうしたチェスを題材にした作品が作られる際は、微力ながら私もお手伝いできればと思っています。今後も、まだチェスを知らない人が、チェスに興味を持つきっかけとなる作品が、日本で生まれ続けることを願っています。

2016/05/15

Weekly Chess Puzzle Vol.24


Kojima, S - Nanjo, R
Tokei Friendship Match 2009
White to move


Kojima, S (FM, JPN, 2290) - Lengyel, B (IM, HUN, 2270)
First Saturday 2012 July IM
White to move

今回はタクティクス2問の出題です。これまでと比べ、簡単な部類だと思いますので、すぐに正解が分かるかもしれません。ただし、2問目は方向性を間違えると、なかなか答えにたどり着かないでしょう。答えはコメント欄にどうぞ。

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