2017/10/13

A New IM Tournament First Friday


マン島終了後に始まり、私が個人的に注目していた大会が昨日、最後の試合を迎えました。それがマレーシアの首都、クアラルンプールで開催されていたFirst Friday です。この大会は今月から始まった新しいIM トーナメントで、今後も毎月開催が予定されています。IM トーナメントでは、参加者が事前に決められ、IM タイトルホルダーの数と対戦相手のレイティングも保証されているため、IM 以外のプレーヤーは何ポイント取ればIM ノーム獲得になるか、大会開始前から分かるようになっています。このFirst Friday は言うまでもなく、私が2014年まで参加していたブダペストのFirst Saturday を意識して企画、名づけられています。

初回のFirst Friday では、IM を開催国のマレーシア、ミャンマー、インドネシアから確保し、IM トーナメントとしての形式を成立させました。そこにインドから複数のプレーヤーがノーム狙いで参加し、見事、11歳のGukesh が7/9 でトーナメント優勝、そしてノーム獲得となっています。ひとまず初回は大会成功と言えるでしょう。ただ、ハンガリーのようにIM トーナメントを定着させるためには、今後もプレーヤーを確保、大会を開催し続ける必要があります。一発だけのイベントで終わらず、今後も開催が続けられると良いですね。

私がこの大会に注目していたのは、マレーシアというハンガリーよりも圧倒的に日本から近い国で開催されること、そしてFirst Saturday 同様、毎月の開催を目指してることが理由です。毎月同じ地でノームトーナメントが開催されるのはハンガリーだけ、というのが長年のチェス界の常識でしたが、ここにマレーシアが加われば、同じアジアのプレーヤーとしてとても喜ばしいことです。これから日本の若いプレーヤーが、気軽にノーム獲得のチャレンジができる大会として、定着してほしいですね。IM トーナメントはFIDE 2100台ならば参加しても大丈夫だと思うので(過去、2000台の参加も見たことがありますが、参加者平均が下がるのでオーガナイザーとの相談が必要)、ノーム狙いでなくとも、IM トーナメントがどんなものか体験したいプレーヤーは、参加を検討してみると良いと思います。

ちなみにGM トーナメントも同時に開催する企画もあるそうで、これが何月頃からスタートするのか、これからも情報をチェックし続けたいと思います。GM トーナメントも毎月開催されることが保証されれば、私もハンガリーまで足を延ばさなくて済みますからね。オーガナイザーは今後も頑張ってください! Chessbase India に掲載されていたレポートも面白かったので、こちらもよろしければご覧ください。

11-year-old Gukesh makes his maiden IM norm!
First Friday IM Oct 2017 Results

2017/10/10

名古屋オープン2017 Tournament Inforamtion


昨年の名古屋オープン入賞者たち

例年は夏の時期に開催されている名古屋オープンは、今年は会場の都合で秋の開催になります。私も昨年同様、参加することを決めました。名古屋の皆さん、そしてまた関東や他の地方から参加される皆さん、よろしくお願い致します。

日程: 10/28(土)、29 (日)
会場: 青少年文化センター 
大会形式: 6R スイス式
タイムコントロール: 60分+1手30秒
参加費: 10000円 (18歳未満8000円)
賞金: 優勝100000円、2位50000円、3位25000円、A優勝25000円 (レイティング1700未満)

その他、細かいタイムスケジュールなどは、名古屋チェスクラブのHP をご覧ください。今回はいつもと違う矢場町駅が最寄りの会場で、私は初めてです。会場を間違えないように注意しましょう。それでは月末、また名古屋でお会いできることを楽しみにしています!

2017/10/08

Saturday Lecture on 21st October 2017


Bok, B (GM, NED, 2620) - Shvayger, Y (WGM, ISR, 2442)
Position after 38... g6

【日時】 2017年10月21日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Games of Isle of Man 2017
【テーマ詳細】

今年もマン島のトーナメントは、世界各国のスーパースターたちが集まり、レベルの高い試合を見せてくれました。そんな中で、周囲の期待を裏切らず、きっちりと優勝を果たした世界チャンピオンのCarlsen は、さすがに世界ランク1位の実力者だと思います。そこで今回は終わったばかりのマン島のトーナメントから、Carlsen のものを含め、いくつかゲームをご紹介しようと思います。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

2017/10/02

Isle of Man International 2017 R9


優勝のスピーチをするCarlsen

今年もマン島のトーナメントが無事に終わりました。優勝は大会初日からトップを走り続けたCarlsen です! 最終戦も危なげなく、Hikaru とドローにして単独フィニッシュを決めました。Olympiad 以外でCarlsen と一緒のトーナメントに参加するのは初めてですが、今回あらためて世界最高峰のプレーヤーのレベルの高さを垣間見ることができたように思えます。

私は最終戦、ドイツのLebbe Nikolas との対戦です。去年同様、最終戦も白を持てるかと期待していましたが、不運なことに8R に続いて黒を引いてしまいます。なんでも指せるLebbe 相手の準備は大変でしたが、自分にとって好ましい形に持っていくことができました。

Lubbe, N (IM, GER, 2515) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)
Isle of Man International 2017 (9)

1. e4 c6 2. Nc3 d5 3. Nf3 Bg4 4. h3 Bxf3 5. Qxf3 e6 6. d3 Nd7 7. Bd2 Qb6!?



トリッキーなラインを使うことの多いLebbe のようなプレーヤーは、Caro-Kann においては、セオリー勝負になりにくい Two Knights Variation を選択することがしばしばあります。ここ最近の大会でも、Two Knights に何を指すか悩んできましたが、今回、Dreev のゲームを見直してみて、これはと思う変化を見つけていました。

8. O-O-O d4 9. Ne2 c5


アイディアはNg8-Ne7-Nc6 からクイーンサイドを攻めることです。黒のキャスリングはどちらもありえますが、キングサイドのポーンが伸びてくるようであれば、クイーンサイドへ逃げるのが安全でしょう。

10. Kb1 Ne7 11. g4 Nc6 12. Qg3 O-O-O 13. Nc1!? Qa6!?



b6 をナイトのために空けるアイディアですが、b5 とa6、どちらがクイーンのマスとして相応しいか、少し悩みました。b2 を当てたままにしておくのも良さそうですが、b5 ではクイーンが浮いていること、bポーンを伸ばすチャンスがなくなることから、最終的にはa6 に決めます。他には全く考えていませんでしたが、すぐに13... Bd6 と指す手もあったようです。クイーンでビショップを取れば、Nd7-Ne5 がクイーントラップです。

14. Qf3!? Nce5 15. Qe2 Nb6 16. Nb3 Na4 17. f4 Nd7!?


e5 にナイトを跳んだ当初は、f2-f4 に対してc6 に戻るつもりでした。しかし、b6 のナイトが早々にa4 にいけたことを見て、もう1つのナイトもb6(チャンスがあればさらにd5)へ運ぶプランを思いつきます。

18. e5 Ndb6 19. c4!?



評価の難しい手ですが、d5 のマスを抑えたい気持ちは理解できます。黒は当然、これを崩して勝負です。

19... dxc3 20. bxc3 Be7?!



ここは悩みました。しっかりと見えていながら指すのをやめたのは、20... c4!? 21. dxc4 Ba3! 22. c5! (白はポーンを返して、Na4-Nb2 を防ぎます。) 22... Qxe2 23. Bxe2 Nxc5 24. Kc2= この変化で、黒は満足なエンドゲームながら、白のダブルビショップを相手にチャンスを作れるか自信がありませんでした。もう1つの指し方は、20... Nd5 21. Rc1 Kb8= とするもので、これならば黒はピースを残したままプレーできます。本譜よりもこのどちらかがベターでしたが、私はd3 のポーンを攻撃することをメインに考えました。

21. c4! Rd7 22. Ka1 Rhd8 23. Ba5?


白は、黒ナイトとクイーンの行き場をなくすというプランの方向性自体は良いのですが、ここで大きな間違いを犯します。私も指された瞬間はなるほどと思いましたが、よくよく考えてみるとポーンを取ることができます。代わりに23. Qe4! であれば、黒はナイトを組み替えるのに手数がかかるため、白がやや良いポジションだったでしょう。

23... Qxc4!-/+



指す前に何度も間違いがないことを確認しました。このクイーンを取るとメイトになるため、白はポーンダウンです。おそらくLebbe はナイトでc4 を取られないことのみを気にし、クイーンを軽視していたのでしょう。

24. Qf2 Qb5 25. Rc1 Kb8 26. Be2 Rc8 27. Rc2 Qc6 28. Rhc1 Qd5 29. Rd2 Rdc7


ポーンアップになった黒は、丁寧に反撃を抑え込もうとします。クイーンはやや危険だった白マスから脱出し、センターに戻ってきました。ここからはc5-c4 のタイミングを伺います。

30. Bf3 Qd7 31. Be4 h6 32. Qg2 Qb5! 33. Rdc2 f6!?



ここですぐに33... c4 34. dxc4 Rxc4 としても良かったですが、まずはe5 を弱め、これを取るチャンスを作りにいきます。クイーンがb5 のマスに移動したのは、c5-c4 のサポートだけでなく、e5 をターゲットにすることも狙いに含んでいます。

34. Qe2 fxe5 35. fxe5 c4! 36. dxc4 Qxe5+ 37. Kb1 Rxc4


ここは残り時間3分を切る前で考えましたが、c1 のルークを先にアタックしておくべきなのか読み切れませんでした。37... Bg5 38. Rf1 (38. Re1 Nxc4!! 39. Bb4 Na3+ 40. Bxa3 Rxc2 41. Bxc2 Nc3+-+) 38... Rxc4 39. Bd3 Qxe2 40. Rxe2 Nc3+ 41. Bxc3 Rxc3-+ これでも本譜でも勝勢です。

38. Bd3 Qxe2 39. Rxe2 Rxc1+ 40. Nxc1 Nc3+ 41. Bxc3 Rxc3



メイティングアタックこそ成功しませんでしたが、黒は満足な駒得でエンドゲームに入り、時間も40手に到達して増やすことができました。ここからは辛抱強く、ポジションを改善していきます。

42. Rxe6 Ba3 43. Re8+ Kc7 44. Re1


このアイディアでポーンを取りかえすのは、なるほどと思いました。ピースを交換してナイトビショップのエンドゲームにするのも考えましたが、a3 のビショップは白キングを抑え込んでおり、交換してしまうのももったいなく思えます。ここはじっくりいくことにしました。

44... g5 45. Bc2 Nc4 46. Nb3 Rxh3 47. Bf5 Rh2 48. Nd4 a6 49. Re2 Rh1+ 50. Kc2 b5 51. Bd3 Rc1+ 52. Kb3 Bc5 53. Nf5 Nb6!



少しプランが迷走しましたが、a4 にナイトを切り替えれば、白のキングは動けずに困っています。

54. Rh2?


粘るのであれば、54. Kb2 とするしかありませんでした。それでも黒はゆっくりポジションを改善し、勝勢でしょう。

54... Na4! 55. Bc2 Rg1! 56. Rxh6 Rxg4 57. Bd3 Rg2


g4 のポーンを取ってから、ルークでメイトを狙います。

58. Bc2 Rf2 59. Rh3 g4 60. Rg3 Kb6 61. Nh4 Rf4 62. Bd1 Bf2 63. Rxg4 Rxg4 64. Bxg4 Bxh4 0-1



メイトのチャンスを絡めながら、最後はナイトを取って勝ち。途中、ポイントが伸びずに苦しんだ大会でしたが、良い内容のゲームで締めくくることができて嬉しかったです。

2017/09/23 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Dahl, B (ENG, 1974) 1-0
2017/09/24 R2 Xiong, J (GM, USA, 2633) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1-0
2017/09/25 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Riazantsev, A (GM, RUS, 2666) 0-1
2017/09/26 R4 Birkisson, B (ISL, 2164) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1/2-1/2
2017/09/27 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Oyama, A (ENG, 2198) 1/2-1/2
2017/09/28 R6 Heimisson, H (ISL, 2185) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1
2017/09/29 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Nihal, S (IM, IND, 2483) 0-1
2017/09/30 R8 Osmanodja, F (WIM, GER, 2245) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1
2017/10/01 R9 Lubbe, N (IM, GER, 2515) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1

Isle of Man International 2017 Final Standings


今年も表彰式前のブリッツは非常に盛り上がっていました!


写真撮影一番人気はAnand でした。インドの若いプレーヤーも殺到していました。


かつて日本で働いていた、カナダのIM Leon Piasetski とは、6年ぶりの再会です。


今大会、妻と結婚してから初の海外大会でした。互いに1つ勝ちこし、レイティングは微減ですので、満足せずにこれからも一緒に邁進していこうと思います。大会後はハネムーンとして、ロンドンとパリに週末まで滞在します。

2017/10/01

Isle of Man International 2017 R8


トップボードではCarlsen がCaruana を黒で破り、優勝まであと一歩です!

この日は1番ボードのことから書きましょう。去年、タイブレークで敗れてマン島での優勝を惜しくも逃したCaruana が、この8R で白をもってCarlsen に挑みます。私は対戦相手が遅れたので、トップボードの開始を間近で見守ります。1. e4 で始まったゲームは、Ruy Lopez からArchangel Variation になりました。私が驚いたのは、Caruana は直前の7R で白を持ち、Gawain Jones のArchangel Variation をきっちり破っていたのにもかかわらず、Carlsen がこのオープニングをチョイスしたことです! 結果は鮮やかなタクティクスでCarlsen の勝ち! すぐ近くでこのようなドラマチックな展開を見ることができるのは、この大会の大きな魅力です。

さて、私はと言えば、Nihal にメイトを見逃して敗れたショックを振り切り、新たな気持ちで臨むラウンドです。相手のWIM はとても鋭くアタックしてくるスタイルのようなので、それを上手くかわして手堅くゲームを進めようと思いました。しかし、私の思惑とは裏腹に、最後は非常にシャープなゲーム展開を迎えます。

Osmanodja, F (WIM, GER, 2245) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)
Isle of Man International 2017 (8)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nd2 e6 5. Nb3 Nd7 6. Nf3 Ne7



この試合、Advanced Variation であるならば、4. Nf3 だと思っていましたが、彼女はデータベースにない手を指してきました。ならばと私も過去に指した6... a6 ではなく、4. Nf3 のラインに手順前後する6... Ne7 を指します。

7. Be2 Nc8!?


全日本で弘平くんに指した7... h6 でも良かったのですが、すでにNbd2-Nb3 を入れている形では、ナイトをc8 に退く変化にしてみます。Dreev のAttacking Caro-Kann では、黒がこのようにナイトを退いた際は、b2-b3, c2-c4 と仕掛けるのが良いと書かれています。そのため、ナイトをb3 にすでに決めているのであれば、Nc8 と退くのもありだと考えたのです。この変化は2年前のJapan League で、桑田くんに指して勝っています。

8. O-O Be7 9. Ne1 O-O 10. Nd3 Ncb6 11. f4



ナイトをd3 に組み替えた以上、キングサイドのポーンが伸びてくることは予想していましたが、fポーンからであることは意外でした。11. g4 Be4 12. f3 Bg6 13. f4 と進めるのが普通の手順で、これにはf7-f5 を突こうかと考えていました。本譜でも11... Bg6 と下がれば同じですが、先にf4 までポーンを伸ばしたことでe4 のマスがアウトポストになっており、黒はe4 にビショップを跳び込ませるアイディアが使えます。

11... Nc4!? 12. g4 Be4 13. Nf2 Bg6 14. Nh1 f6!


白は相変わらずf4-f5 を狙いますが、これにはf7 にマスを作りつつ、センターポーンを崩しにいくf7-f6 のアイディアが使えます。

15. Ng3 Qb6



コンピュータは15... fxe5 16. dxe5 Qb6+ 17. Kg2 Rad8 で黒が大丈夫だと判断しますが、e6 のポーンを弱めた以上、あまり早くd4 にマスを空けたくはありませんでした。

16. Kg2 a5?


ここは試合中、すぐに後悔した一手です。a5-a4 を見せておけば、白はナイトを退かされないようにするために、a2-a4 と止めてくるものだと思い込んでおり、ルークがセンターに回るのはその後でも構わないと思っていました。実際には白は本譜のように仕掛けることができるため、16... Rae8! とe6 をサポートしておくのが先であるべきです。

17. f5! Bf7 18. exf6 Bxf6 19. g5 Bd8 20. Bd3



彼女は力強くこの手を指しましたが、私はビショップを置くのであればもう1つのマスを考えていました。20. Bg4! exf5 21. Bxf5 a4 22. Qg4! (22. Bxd7 axb3 23. cxb3 Nd6 ならば、ポーンの代償は十分ありそうです。) 22... c5 (22... axb3? 23. Bxh7+! Kxh7 24. Rxf7!+-) 23. Bxd7 axb3 24. cxb3+/- これは上記の変化よりもポーンの代償は少なく、黒は苦しそうに見えます。

20... e5 21. g6?


ここはどちらのポーンを伸ばすか悩みますが、fポーンが正解です。21. f6 g6 (21... exd4 22. Qg4!) 22. Qg4! Qc7 23. Nc5 Nxc5 24.dxc5+/- ならば、c4 に跳び込んだナイトの行き場がなく、負けを覚悟しなければいけなかったでしょう。g7-g6 の押し込みも考えていましたが、黒キングはさほど危険ではなく、これならば勝負できると思っていました。

21... Be8 22. gxh7+ Kh8 23. c3



h8 のキングには追撃がなく、黒はここから反撃を作ることができます。

23... a4 24. Bxc4 dxc4 25. Nd2 exd4!?


白マスビショップを貰ったため、g2 のキングが攻撃しやすくなったと思い、ポジションを開きにいきます。25... Bf7! 26. dxe5 Nxe5 も黒のピースはアクティブで、ポーンの代償が間違いなくあるポジションです。

26. Nxc4 Qb5 27. Qxd4 Bf6 28. Qg4 Bf7 29. Nd6 Bd5+ 30. Kh3 Qa6 31. Bf4 a3 32. bxa3?!



黒は8段目で眠っていたダブルビショップを叩き起こし、キングサイドとクイーンサイド、両方に揺さぶりをかけます。a3 のポーンは取ってしまうと、黒のクイーンとルークをアクティブに使うチャンスを与えてしまうため、c3 のポーンをあきらめるとしても、32. b3 のほうが良かったでしょう。

32... Bxc3 33. Nh5


データベースで彼女の試合を見ていると、とにかくエクスチェンジサクリファイスが好きなことが分かりました。ここでもa1 のルークを逃げませんが、g7 への攻撃を考えるのであれば、黒はディフェンスの要である黒マスビショップを残しておくほうが安全でしょう。

33... Qxa3! 34. Bg3 Bf6?



白は次にf5-f6 の押し込みを狙っているため、ここは1手、ディフェンスを入れんなければいけないと思いました。しかし、34... Ra4! 35. Nf4 Rf6! 36. Ng6+ Rxg6 37. Qxg6 Bxa1 38. Re1 (38. Rxa1? Qf3! 39. Rg1 Nf6 40. Nf7+ Bxf7 41. Qxf7 Rh4+ 42. Kxh4 Qg4#) (38. Qe8+ Kxh7 39. Qh5+ Kg8 40. Qe8+ Nf8-+) 38... Ra8 39. Rxa1 Ne5 40. Qh5 Qxd6-+ このようにして勝ちでした。すべてを読み切れなくても、a4 にルークを上げる手は見えなければいけません。

35. Rae1! Ra4


次のNh5-Nf4-Ng6 に対するディフェンスがわからず、こう指すしかありませんでしたが、これで正解でした。しかし、振り返ればもう1手早く指していれば黒勝ちだったのにと惜しまれます。

36. Rf4?


36. Nf4! Rxf4 37. Qxf4 Qxa2+/= ならば黒はエクスチェンジを捨てるしかありませんでしたが、まだ形勢は難しいと思います。彼女はh5 のナイトがg7 へのアタックの要だと思い込み、g6 へ切り替えることができなかったのでしょう。

36... Qxa2!



ここはa2 を取るか、b2 に侵入するか時間のない中で迷いましたが、これもOK でした。f6 のビショップに紐をつけなければいけない理由は特に見当たらず、ポーンを早めに貰っておきます。g2 でのメイトがあるため、白はa4 のルークを取れないことがポイントです。

37. Bf2?


37. Re2 Qb1 (Qb1-Qf1 の狙いを作ることで、a4 のルークを取られないようにします。) 38. Re1 Qb2 39. Re2 Qc1 40. Re1 Qc2 41. Re2 Qd1! 42. Re1 Bg2+ 43. Kxg2 Qxg4 44. Rxg4 Rxg4-+ 1段目と2段目を交互に動き、d1 まで潜り込めればドローにはなりません。それでもこちらのほうが難しい変化で、本譜のようにすぐに黒が勝つことはなかったでしょう。

37... Ra3+! 38. Be3 Qd2 39. Qg3


39. Qg1 Bd4 40. Rxd4 Qxd4-+ でも黒の勝ちです。

39... Bg2+! 40. Qxg2 Qxe1 0-1



今大会でこれまで鬼門だった時間の増える40手目、この試合では正しい手を指せました。この駒損ではどうしようもないため、白は増えた時間をさして使うことなくリザイン。私にとって嬉しい白星を挙げました。

最終戦はなぜか連続で黒... ドイツのLebbe Nikolas との対戦です。序盤はCaruana からドローを取ったものの、ここ3試合は下相手にドローでピリッとしません。私にとっては今大会初の2500台との試合で、ポイントが取れると嬉しいですね。最終戦のみ、いつもより1時間半早い、日本時間の20時スタートです! ライブで観戦予定の方はご注意ください。

2017/09/23 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Dahl, B (ENG, 1974) 1-0
2017/09/24 R2 Xiong, J (GM, USA, 2633) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1-0
2017/09/25 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Riazantsev, A (GM, RUS, 2666) 0-1
2017/09/26 R4 Birkisson, B (ISL, 2164) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1/2-1/2
2017/09/27 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Oyama, A (ENG, 2198) 1/2-1/2
2017/09/28 R6 Heimisson, H (ISL, 2185) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1
2017/09/29 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Nihal, S (IM, IND, 2483) 0-1
2017/09/30 R8 Osmanodja, F (WIM, GER, 2245) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1
2017/10/01 R9 Lubbe, N (IM, GER, 2515) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)

Isle of Man International 2017 R9 Pairings
Isle of Man International 2017 Live Games


最終日を前に、景気づけに近くのグリルへ。400g 以上の肉を2人で分けました。

2017/09/30

Isle of Man International 2017 R7


昨日は、去年通い詰めたTea Junction へ。

正念場の7R は、インド注目のユースプレーヤーNihal Sarin との対戦です。現在、最年少GM 記録更新が期待されるPraggnanandhaa と並び、Nihal もあと少しでGM のタイトルに手が届きそうなところまできています。

Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Nihal, S (IM, IND, 2483)
Isle of Man International 2017 (7)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6



Nihal は今年になって対1. d4 のメインレパートリーをQGD Vienna にしていましたが、勝ちを狙うこのラウンドは去年まで頻繁に指していたKID にしてきました。

3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nc6 7. Nc3 a6 8. d5 Na5 9. b3!?


6... Nc6 のPanno Variation に何を指すか、長年悩んできましたが、今年のJapan League からはこの変化を試しています。黒がクラシカルなプランでc7-c5 と突くようであれば、これをとってEnglish のポーンストラクチャーにしてしまいます。

9... c5 10. dxc6 Nxc6 11. Bb2 Ne4 12. Qc1 Nxc3 13. Bxc3 Bxc3 14. Qxc3



ひとまずここまでの流れは白満足です。Nc3-Nd5 と飛び込むアイディアは消えましたが、c4-c5Qc3-Qd2(or Oe3)-Qh6、Nf3-Ng5 の組み合わせはどちらも効果的なアイディアで、黒は気を付けなければいけません。

14... Bd7 15. Rfd1 Rc8 16. Rac1 Qc7 17. Qd2!?


指してから思ったのは、17. c5! dxc5 18. Qxc5 Rfd8 19. Nd4+/= と指していれば、白は手堅く有利なエンドゲーム持ち込めるということです。私はc4-c5 のアイディアとして、d7 のビショップを狙うことをメインに考えていましたが、普通に取りかえしてcファイルの圧力を活かしてもOKでした。本譜ではもう少し駒を残し、Qd2-Qh6 を見せることにします。

17... Bg4



ここはc4-c5 に備え、ビショップをどこに逃がしてくるだろうかと思いましたが、Nihal の判断はf3 のナイトを交換するというものでした。これならば白はビショップナイト交換を受け入れ、やや優勢で試合を進められそうです。

18. h3 Bxf3 19. Bxf3 Rfd8 20. h4 Ne5 21. Bg2 h5 22. Qf4 Qb6 23. Qe4 Rd7 24. Bh3 e6


細かく揺さぶりを入れながら、黒にe7-e6 を突かせ、d6 のポーンを弱くしました。Bh3-Bxe6 のサクリファイスも考慮しつつ、さらなる進め方を考えます。

25. Rc2 Qb4 26. Kg2 Qc5 27. Rcd2 b5 28. f4



キングの守りを弱めるために不安もありますが、c4 を崩されないようにするためには仕方がありません。ここでビショップとナイトを交換し、ポジションを単純化します。

28... Ng4 29. Bxg4 hxg4 30. Rd4 Rcd8 31. Qd3 bxc4?!


Nihal は先に時間切迫になっており、残り時間は10分を切っていました。私としてはクイーンサイドは白から取るよりも、黒から取らせたほうが良いとの判断でルークを4段目に上げたため、こうして早々に交換してくれるのはありがたかったです。31... d5 32. Qd2= ならば、お互いにテンションを保って難しい形勢でしょう。

32. Rxc4 Qb6 33. Rdc1 a5 34. Rc6 Qb7 35. Kh2 a4 36. h5!?



a5-a4 を許し、少ししまったと思いました。このポーンを取るか、それともキングサイドで思い切って仕掛けるかを残り3分まで悩み、後者を実行することにします。36. bxa4 Qa7 37. Kg2 Qxa4 38. h5 Qa8= でも形勢は互角のようです。

36... gxh5 37. f5 axb3 38. axb3 Re8??


ここはいくつかの変化があったようですが、38... Qa7 39. fxe6 Qf2+ 40. Kh1 fxe6 41. Qg6+ Kh8= (41... Kf8?? 42. R6c4! e5 43. Qg5+-) とするのが黒にとって安全策で、ドローに落ち着いたでしょう。時間切迫でNihal が指した手を見て、私も狙いだったf5-f6 押し込みからのメインティングアタックを決行します。

39. f6! Qa7 40. Rf1?



時間の増える40手目、私はメイトになる決定打を見落としました。40. R6c5!! dxc5 41. Qe3!+- ならばメイト受け無しで白の勝ちです。ショックだったのは、試合後にその場ですぐにNihal がこの手を指摘したことです。彼としては時間切迫の中、38手目がブランダーで、白の必勝局面であることに気付いていたのでしょう。私は彼よりも多少時間を残しつつも、勝ちの手を見つけられなかったことに落ち込みました。

40... Qa5


私も当然この手を考えての40. Rf1 でしたが、続く変化の中でQa5-Qg5 があることを見通していました。

41. Qe3


私はメイトもパぺチュアルチェックもなくなったことを悟り、落ち着いてベストの手を探そうとしましたが、黒キングを8段目に置いたままd6 を取るのが良いのか、6段目まで上げさせてから取るのが良いのか、判断ができませんでした。41. Rxd6 Rxd6 42. Qxd6 Rd8=/+ 実際にはこれでも黒がやや優勢ですが、本譜よりは良かったでしょう。

41... Kh7 42. Qd3+ Kh6! 43. Rxd6



43. Qe3+ Qg5! が40手目の時点で見落としていた1手で、こうなれば明らかに黒が優勢です。私はポーンを取るほかないと思いましたが、この変化もダメでした。ポーンがバラバラなうえ、キングの守りが薄すぎます。

43... Rxd6 44. Qxd6 Rd8 45. Qe7 Kg6 46. Qb7 Qe5 47. Qg2 Rd2 48. Rf2 h4 49. b4 Rb2 50. b5 Rb3 0-1


今回負けた3試合のうち、最も分かりやすい決定機を逃してしまいました。悔しいですがこれも勉強だと思い、残りの2試合、思い切り指してこようと思います。

この日、私は敗れましたが、マイナーセクションでプレーしている妻のなつみが3勝目。ここまで3勝1敗1ドローで2位タイにつけています。5連勝でトップを走るGaspar Ioan-Dan は、実力が頭1つ飛びにけているように見えるので、彼の優勝はほぼ間違いないでしょう。一方で今日の試合で勝利をつかめれば、妻も入賞が見えてきます。

私は今日のラウンドでは、ドイツのWIM Osmanodja Filiz と対戦します。彼女は100近くレイティングを落としていますが、ベストは2370 と私とほぼ変わりません。これ以上ポイントを落としたくはないので、黒番ですがチャンスを作りにいきたいと思います。

2017/09/23 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Dahl, B (ENG, 1974) 1-0
2017/09/24 R2 Xiong, J (GM, USA, 2633) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1-0
2017/09/25 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Riazantsev, A (GM, RUS, 2666) 0-1
2017/09/26 R4 Birkisson, B (ISL, 2164) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1/2-1/2
2017/09/27 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Oyama, A (ENG, 2198) 1/2-1/2
2017/09/28 R6 Heimisson, H (ISL, 2185) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1
2017/09/29 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Nihal, S (IM, IND, 2483) 0-1
2017/09/30 R8 Osmanodja, F (WIM, GER, 2245) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)

Isle of Man International 2017 R8 Pairings
Isle of Man International 2017 Live Games

2017/09/29

Isle of Man International 2017 R6


この日は所用で試合前に外へ。研究でこもってばかりではダメですね。

後半戦、6R は4R と同じくアイスランドのジュニアプレーヤーとの対戦です。今大会、アイスランドからはベテランGM のOlafsson 以外には、有望な若手プレーヤーが多く参加しています。

Heimisson, H (ISL, 2185) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)
Isle of Man International 2017 (6)

1. d4 d5 2. Bf4



この試合、3. Bg5!? をメインで準備していましたが、まさかのLondon System でした。London 対策は以前から自信があったうえ、4R で指されるかもしれないと思って見直しておいたのがラッキーでした。

2... c5 3. e3 Nc6 4. c3 Nf6 5. Nd2 Bf5 6. Qb3 Qd7 7. Ngf3 c4 8. Qd1 h6 9. h3 e6 10. Ne5?!


このナイト交換はやや早いと思いますし、こうして飛び込むのであれば、h2-h3 は必要ないように感じます。

10... Nxe5 11. Bxe5 Be7 12. e4 Bh7



ここは12... Nxe4 13. Nxe4 Bxe4 14. Bxg7 Rg8 15. Bxh6 O-O-O=/+ と1ポーンを捨てるアイディアもありました。黒は確かに展開の早さとgファイルからのカウンターで、ポーンの代償がありそうに見えます。本譜では私は、もう少しゆっくりとした展開を望みました。

13. exd5 exd5 14. Be2 O-O 15. O-O b5 16. Qc1


白黒逆でも、このポーンストラクチャーであればしばしば見られる手です。白の狙いはBe2-Bd1-Bc2 とビショップを組み替え、黒のよく利いているビショップを消すことですので、これにどう応じるかを考えます。

16... a5 17. Bd1 Qf5!?



単純なアイディアですが、Bd1-Bc2 がすぐできないようストップしてしまいます。もし白がg2-g4 と突くようであれば、おとなしくクイーンを退き、白キングの前を崩したことで満足するつもりでした。

18. Re1 Rfe8 19. Nf1 Ne4 20. f3 Bh4!


ここは慎重に読み、この手が成立する思いました。白にはいくつかの応手がありますが、全て黒にとって嬉しい形になります。

21. Bc2?!



これはe4 のナイトを取りかえして2ピースルークになりそうな手ですが、正確に読んでいくと黒が有利になることが分かります。21. g3? Nxg3! 22. Bxg3 Rxe1 23. Bxh4 Rxf1+! 24. Kxf1 Qxh3+ 25. Kg1 Qxh4-+ は黒勝勢。21. Re2 Nc5! 22. Ng3 Bxg3 23. Bxg3 Nd3=/+ でも、理想的なアウトポストにナイトを指した黒が良いポジションです。

21... Rxe5!?


どちらから指すべきなのかが分かりませんでしたが、エクスチェンジサクリファイスからでもOKです。21... Bf2+ 22. Kh2 (22. Kh1 Bxe1 23. Qxe1 Nf2+ 24. Qxf2 Qxc2-+) 22... Bxe1 23. Qxe1 Rxe5 24. dxe5 Qf4+-/+ ならば、本譜と同じポジションです。

22. dxe5 Bf2+ 23. Kh2



23. Kh1 Bxe1 24. Qxe1 Ng3+ 25. Nxg3 Qxc2=/+ これでも黒がやや優勢ですが、上記のラインに比べてアドバンテージは小さいというのがコンピュータの評価です。

23... Bxe1 24. Qxe1 Qf4+!


これでピンを外せば、e4 のナイトを助けることができます。g2-g3 にf3 のポーンを取れることを、最初は見通していました。もちろん、24... Qxe5+? 25. Kh1 Re8 26. fxe4 Bxe4 27. Bxe4 dxe4+/- はピースダウンで黒はダメでしょう。

25. Kh1 Nc5!-/+



上記のラインでも見たように、ナイトはd3 のマスを目指すのがベストです。20... Bh4! からの一連の流れの結果、黒には決定的なアタックや駒得はありませんでしたが、d3 にナイトを置くことができれば満足です。

26. Qf2 Rc8! 27. Re1 Bxc2 28. Qxc2 Nd3 29. Re3 Re8!


ナイトはd3 にどっしりと居座ったままが良いので、e5 のポーンを回収するのはルークの役目です。これで黒の駒得が決まり、後はどうゆっくりと局面を進展させていくかを考えます。

30. g3 Qf5 31. f4 Qxh3+ 32. Kg1 Qd7 33. Rxd3



こう指して厄介なナイトを取り除いてしまいたくなる気持ちは分かりますが、このエクスチェンジアップであれば黒は楽に勝てそうです。

33... cxd3 34. Qxd3 d4!


シンプルなのはルークのためのオープンファイルを作りつつ、クイーンを交換してしまうことでしょう。ルークとナイトではスピードが違い、勝負になりません。

35. cxd4 Rd8 36. Kf2 Qxd4+ 37. Qxd4 Rxd4 38. Ke3 Rd1 39. Nd2 Ra1 40. a3 Ra2 41. Nb3 a4 0-1



ようやく待望の2勝目です。本当に嬉しい! 20手目で思い切ってビショップを跳び込めたのが良かったですね。これで戦績は2勝2敗2ドローのイーブンに戻りました。

7R はインド注目の13歳、Nihal Sarin との対戦です。すでにGM ノームを1つ持ち、レイティングも2500手前強豪です。今回の調子はまぁまぁといったところですので、白番でチャンスを作りたいですね。

2017/09/23 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Dahl, B (ENG, 1974) 1-0
2017/09/24 R2 Xiong, J (GM, USA, 2633) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1-0
2017/09/25 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Riazantsev, A (GM, RUS, 2666) 0-1
2017/09/26 R4 Birkisson, B (ISL, 2164) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1/2-1/2
2017/09/27 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Oyama, A (ENG, 2198) 1/2-1/2
2017/09/28 R6 Heimisson, H (ISL, 2185) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 0-1
2017/09/29 R7 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Nihal, S (IM, IND, 2483)

Isle of Man International 2017 R7 Pairings
Isle of Man International 2017 Live Games


久々に試合で勝てたので、アイスクリームをゲット。2 Scoop の注文が、6 Scoop くらいあってコーンが割れてます(笑)

2017/09/28

Isle of Man International 2017 R5


会場の天井にはたくさん風船が引っかかっており、試合中にしぼんで落ちてこないかハラハラします。

つい先日始まったばかりだと思っていたトーナメントも、気付けば中間の5R を迎えます。この日は5年前から交流のある、大山くんとの対戦です。彼はイングランド籍のプレーヤーとしてずっとこちらでプレーしており、2日目には一緒に食事もして、イングランドでの近況や、進路について色々と話をしてきたばかりです。

Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Oyama, A (ENG, 2198)
Isle of Man Internationlal 2017 (5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. Qc2 O-O 5. a3 Bxc3 6. Qxc3 b6 7. b4 Bb7 8. Bb2 c5 9. e3 d6 10. Be2 Nbd7 11. O-O Rc8 12. Rfd1 Qe7 13. d4 cxd4?!



3R とは違い、好きな形のAnti-Nimzo-Inaidn になりました。黒はここでセンタポーンを交換する手が少しおかしく、d6 のポーンが負担になってしまいます。

14. Qxd4 Bxf3 15. gxf3


悪い手ではないですが、割と早い段階でビショップで取り返しておくべきだったと後悔しました。15. Bxf3 Ne5 16. Be2 Rfd8 17. Rac1+/= ならば、ダブルビショップとd6 へのプレッシャーで、疑いようのないアドバンテージがあります。私は開いたgファイルを過信していたうえ、薄くなった白キングへの黒のカウンターを過小評価しいていました。

15... Ne8 16. Kh1 Ne5 17. Rac1 Ng6 18. Rd2 f5 19. Rg1?!



この手前でも良いですが、どこかで19. f4! と突いておくべきだったと思います。指される前は、e6-e5, f7-f5 とされても、黒の弱点も多少増えるため問題ないと思っていましたが、g6 のナイトのせいで白からf3-f4 と仕掛けるチャンスがないことを見落としていました。

19... e5! 20. Qd5+ Kh8 21. a4 Rc7 22. Bf1


本譜は少し弱気だったかもしれません。22. a5 と積極的にクイーンサイドで仕掛けるポイントを作っておくほうが良かったでしょう。いずれにせよ黒は同じキングサイドアタックをすると思いますが、クイーンサイドに守らなければいけないポイントができると、アタックに集中しづらくなるでしょう。

22... Qh4 23. Qd3 Qh5 24. Be2?!



24. Rg3 f4 25. Rh3 Nh4 26. Rd1 Qg5+/= コンピュータはまだこれで白が少し良いと判断しますが、h3 に行ったルークはg3 に戻れないため、トラップされないかという不安がありました。

24... f4! 25. e4 Nh4


こうして見ると黒の攻撃は、hファイルにヘビーピースを重ねてh2 のメイトを狙う明快さがあり、白はディフェンスが難しそうです。

26. Rc2?


26. Rg4! Rf6 27. Qb1! Rh6 28. Qg1= ならば、白は何とか守れています。d6 のポーンを攻撃しているため、すぐにはNe8-Nf6 ができないとはいえ、g4 にルークを早めに運んで大丈夫なのか自信が持てませんでした。しかし、gファイルにルークとクイーンが重なれば、Rg4-Rg5 ができるため、ルークの逃げ場ができるのは盲点でした。

26... Rf6 27. Rg4 Rh6 28. Kg1 Ng6 29. Rg2 Nh4 30. Rg4 Ng6 31. Rg2 Qh3!



白は待つしかありませんが、黒は同一局面を蹴って勝負にいけます! クイーンがh3 に潜り込んでからのNg6-Nh4 であれば、次にルークをgファイルでぶつけ、ルーク交換の後にg2 でのメイトを狙うことができます。

32. Rc3 Nh4 33. Rg4 Ng6?!


検討ではd6 を捨て、もう1つのナイトをプレーに戻すアイディアが出ました。33... Nf6! 34. Qxd6 Rc8 35. Qe6 Rg8!-+ ならば黒は危ないところがなく、白はg4 のルークもh2 のポーンも危なくて敗勢です。

34. Rg2 Nh4 35. Rg4 Ng6 1/2-1/2



大山くんが勝ち筋に自信を持てず、ドローにしてくれたのは完全にラッキーでした。ポイントこそ拾ったものの、この5試合で初めて構想からおかしく、悪いポジションにしてしまったことを反省して、また次のラウンドに臨もうと思います。

次の相手は再びアイスランドのジュニアです。上からも2人ポイントを取っており、全く侮れない相手です。私もそろそろ初戦以来の白星を掴みたいですね。今日も頑張ってきます!

2017/09/23 R1 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Dahl, B (ENG, 1974) 1-0
2017/09/24 R2 Xiong, J (GM, USA, 2633) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1-0
2017/09/25 R3 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Riazantsev, A (GM, RUS, 2666) 0-1
2017/09/26 R4 Birkisson, B (ISL, 2164) - Kojima, S (IM, JPN, 2403) 1/2-1/2
2017/09/27 R5 Kojima, S (IM, JPN, 2403) - Oyama, A (ENG, 2198) 1/2-1/2
2017/09/28 R6 Heimisson, H (ISL, 2185) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)

Isle of Man International 2017 R6 Pairings
Isle of Man International 2017 Live Games


Carlsen はこの日、ペルーのGranda に勝ち。4.5/5 で去年の優勝者、Eljanov を迎え撃ちます。

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