2012/06/30

New FIDE Rating and Olympiad Information

2012年も半分が終わり、あと1日もせずにFIDE レイティングが更新されます。少し気が早いですが、日本のアクティブプレーヤーの変動がどうなるか、チェックしてみましょう。日本のプレーヤーのレイティング変動は、こちらでチェックできます。敬称略。

南條遼介 2316 (+21)
小島慎也 2290 (+26)
渡辺暁  2278 (-19)
Averbukh 2211 (+6)
中村龍二 2159 (-27)
岩崎雄大 2137 (+18)
桑田晋  2125 (-6)
塩見亮  2122 (-1)
三阪晋  2088 (+7)
権田源太郎 2078 (+-0)

試合をして変動のある上位10名は、上記の通りです。全日本が終了した時点で分かっていましたが、優勝した南條くんが2300を越えて、FM取得の資格を得ました。彼の実力からすれば、遅すぎたくらいですね。JCA とトラブルになることなく、スムーズにタイトルを取得してほしいと思います。

そして前の記事でも書いたとおり、私は6月の不調が響いて、2300復帰はなりませんでした。それでも+26 で、レイティングはいくらか戻しています。また7月から巻き返しを図り、イスタンブールでは2300台でプレーできることを願います。

また、イスタンブールと言えば、すでに夏のオリンピアードの各国代表メンバーが続々と発表されています。Chessdom でも確認できると思いますが、私は公式サイトでチェックしています。日本チームもすでに登録済みで、ボード順は、私、南條くん、暁さん、Alex、岩崎さんとなっています。私と南條くんは連続での代表、暁さんにとっては実に12年ぶり(しかも、同じイスタンブール)の代表入りです!

このボード順にすると、事前の通知がなかったのがいささか不可解ですが(いつものことですが・・・)1番ボードを任される以上は、前回のオリンピーアードのように情けない戦績にならぬよう、精一杯プレーしようと思います。イスタンブールオリンピアードは8月27日開幕です。

2012/06/29

A Rock-Solid Chess Opening Repertoire for Black

A Rock-Solid Chess Opening Repertoire for Black


5月にGAMBIT社から出た本です。日本を出る前から気になっていましたが、先日、ケチケメートで発見して中身を確認しました。著者はウクライナのベテランGM Eingon、 あらゆる初手に対して1...e6 と返すのが本書の特徴です。

Eingorn と言えば、French の使い手として有名(1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nc3 Bb4 4. e5 c5 5.a3 Bxc3+ 6.bxc3 Ne7 7.Qg4 Kf8!? Eingorn Variation )ですが、1.d4 e6 2.c4 Bb4+!? のエキスパートでもあり、そのラインに関しても、本書では後半で扱われています。近年はマニアックすぎるFrench 本が多いので、簡単なFrench Defence の復習と共に、黒全体のレパートリーを作りたい人にとっては、読んでおくべき一冊として、私からお勧めします。

2012/06/26

S83

すでにご存じの方も追いかと思いますが、全日本やゴールデンオープンの試合分を含めた、S83 が公開されました。松戸チェスクラブのHP か、こちらのNest というブログで、各プレーヤーのレイティングがチェックできます。Nest では全員のランキングまで出ており、国内情勢が結構分かりやすいです。

私は全日本の5勝3ドローという戦績で、レイティングは2403 まで上がりました。私にとっては人生で初めて、2400台に到達しました。2008年に名古屋で初めて渡辺暁さんと対戦して以来、密かに目標としてきた数字だっただけに、喜びもひとしおです。全日本で優勝した南條くんも、2383 まで上がっているので、今年中に2400 に乗る可能性も十分ありそうです。

次に日本国内でプレーするのは、9月のチーム選手権になるでしょう。帰国予定日の翌日、翌々日の開催です。この数字に恥じないプレーができるよう、あと2ヵ月半、きちんとこちらで腕を磨いてこようと思います。もちろんFIDE レイティングも、なるべくこちらに近づけるよう頑張ります!

2012/06/25

Road to Belgrade


突然ですが、7月2日からセルビアの首都、ベオグラードに行きます。日本チームのコーチである、セルビアのGM Mihajlo Stojanovic 氏と会い、7月のFirst Saturday まで、プライベートレッスンを受けるためです。Misha の家の一つ(?)を私の滞在先としても提供してくれるそうで、大変ありがたいことです。

Misha は7月2日に列車でブダペストに到着し、そのまま2人でセルビア入りする予定です。私の未熟な部分を、ビシビシ鍛えてもらい、武者修行後半戦に備えようと思います。


おまけですが、昨日はウィーンで鍼灸師をしている梅田さんが、チェスセットをご所望とのことで、彼の気にいるチェスセットを探してブダペストをさまよいました。ブダペストのお土産屋にはどこも、実に様々なチェスセットが置いてあり、ヨーロッパの中でもチェスが盛んなことを思わせます。


数十種類のチェスセットを見て回りましたが、結局ハンガリーの伝統工芸的なデザインのものではなく、シンプルで実用性重視のチェスセットにしました。(購入するまで、Hがはがれかけていることに気づきませんでした・・・)梅田さん、是非ウィーンでもチェスを楽しんでください。またウィーンかブダペストでお会いしましょう!

2012/06/24

CAISSA 2012 June final round - Quick Victory -

6月のCAISSA 最終戦は、ノルウェーのWalseth さんに19手で勝ち。なんとか一つ勝ち越しでトーナメントを終えました。しかしレイティングは-3 と微減です。

Walseth, T (NOR, 2006) - Kojima, S (FM, JPN, 2264)
CAISSA 2012 June IM (11)

1. c4 c6 2. g3 d5 3. Nf3 Nf6 4. Bg2 dxc4



2009年に、ベトナムのZone選手権 で研究したラインで勝負です。

5. a4!?


5. O-O Nbd7 6. Na3 Nb6 7. Qc2 Qd5 8. Qc3 Ne4 9. Qe3 Nd6 10. Nd4 Nf5!? (0-1) Vo Thanh Ninh - Kojima,S / 2009 /Zone 3.3

5... a5 6. O-O Nbd7


これで次に7.Na3 Nb6 8.Qc2 Qd5 と続き、上記のラインのa4,a5 を共に挟んだ形になるかなと予想していましたが、相手のアイディアは全く違いました。

7. b3!?


彼は検討で、完全にポーンは捨てるつもりだったと私に話しました。English Opening のスペシャリスト、Marin, M の解説では、a2 にポーンがある状態で、このポーンサクリファイスを実行するアイディア(axb3 と取り返してaファイルを開く)を見たことがありましたが、クイーンで取り返す形は初めて見ます。

7... cxb3 8. Qxb3 Qb6



a2-g8 のダイアゴナルを抑えられたままでは、将来的なe4-e5-e6 が嫌だと感じたので、一度クイーンを下げさせます。

9. Qc2 g6 10. d3 Bg7 11. Nc3 O-O 12. Rb1 Qd8 13. Nd2!?


13.Be3 Ra6!? と指すつもりでした。いずれにせよ、b6 のマスとb7 のポーンが弱いことが、白が1ポーン捨てて、つけ込むポイントになりそうです。

13... Nb6


私のアイディアはシンプルです。b7 のポーンのサポートと、白マスビショップ展開のために、b4 にナイトを置くことを目指します。そこにナイトを固定できれば、1ポーンの代償は不十分で、黒が大きな優勢を得ると確信しています。

14. Ba3 Nfd5 15. Nxd5 Nxd5 16. Ne4!?



試合中少し考えていたのは、16. Bxd5!? と指されたらどうすれば良いのか、といことです。16. Bxd5!? cxd5 (16... Qxd5 17. Bxe7 Re8 18. e4= ポーンを返してしまうと、ダブルビショップはあるものの、意外と白の陣は堅く、黒にアドバンテージがあるようには見えません。) 17. Rfc1 Ra6 18. Qc7 Re6 19. e3 =/- ならば、黒がやや良いという評価ですが、白が明らかに指すのは楽で、黒がポジションを改善していくのは面倒です。これを踏まえると、14... Re8 と先に指しておいて、後に...Nfd5 と跳ぶほうが無難だったかもしれません。

16... Rb8 17. Nc5 Re8 18. Bxd5?!


勝負はまだこれから、というところで相手のミスが出ました。このアイディアは2手前に実行しなければいけません。

18... Qxd5 19. Na6?? Bh3 0-1



白はg2 のメイトを見落としていました。20.e4 Qh5 でもQf3-Qg2 のメイトと、a6 のナイト取りがダブルスレットになっているため、白はピースダウンを免れません。なかなか勝ち星に恵まれない今大会でしたが、最後はあっけないものでした。

6月は結局、レイティング-20 程です。5月の貯金をすべて吐き出したわけではないですが、2300への復帰はまだお預けとなりそうです。7月はMisha とトレーニングを積み、万全の状態で、またFirst Saturday とCAISSA に臨むつもりです。Misha とのトレーニングについては、明日の記事で詳しく書きます。


最終戦直前の昼食は、サラダと揚げズッキーニという野菜のみのメニュ-。本当はこのあとランゴーシュも食べるつもりでしたが、これで満腹になりました(笑)


電燈に何かいる!2ヵ月通った道でしたが、気付きませんでした。

2012/06/23

CAISSA 2012 June 9-10th rounds - Exchange Sacrifice -


9R の相手はイングランドのMark, Lyell, 前回は私がCaro-Kann を指して勝っています。今回もAnti-Sicilian を避けての勝負にしました。

Lyell, M (FM, ENG, 2184) - Kojima, S (FM, JPN, 2264)
CAISSA 2012 June IM (9)

1. e4 e6!?


French Defence は私にとって、Sicilian, Caro-Kann と並んで信用できる武器です。

2. d4 d5 3. e5 c5 4. c3 Qb6 5. Nf3 Nc6 6. a3 Bd7!?



Advanced Variation を公式戦で指すのは初めてです。Vitugov の勧める、クイーンサイドの展開を急ぐラインで勝負です。

7. b4 cxd4 8. cxd4 Rc8 9. Bb2 Nh6 10. Nc3 Na5!


白がb2 にビショップを置いた形では典型的な手なので、知らなかった方はぜひ覚えてみてください。

11. Na4 Qc6 12. Nc5 Nc4 13. Bxc4 dxc4 14. O-O b6 15. Nxd7 Qxd7 16. Qc2



オープニングは黒にとって満足なものでしょう。同色ビショップの働きは黒が良く、c4 のパスポーンも、駒が捌ければ強力な武器となりえます。

16... Be7 17. Rad1 O-O 18. d5!?


予想していなかった1ポーンサクリファイスです。白はこのままではb2 のビショップの働きが悪いだけなので、黒マスのポーンを一つ消し、d4 のマスを活用して勝負します。私が一番気にしていたのは、18. Bc1 Nf5 19. g4!? Qd5 20. Qe2 Nh4 21. Nxh4 Bxh4 22. g5 f6-/+ というラインですが、h4 のビショップはどうやらエスケープできるようです。

18... exd5 19. Nd4 Rfe8!


f8 のマスを空けるとともに、e5 のポーンをアタックします。

20. f4?!



私が試合後に彼に指摘したのは、ここでナイトを取りにいく変化です。20. Bc1! a5 21. Bxh6 gxh6 22. Qc3 ならば、黒のキング前は開き、白としては1ポーンを捨てた代償があると考えられるでしょう。Lyell はh6 のナイトを使えないピースとして盤上に残そうと考えたようですが、キングが危なくないならば、黒は本譜のようにクイーンサイドから強力な反撃を作ることができます。

20... Bf8 21. h3 a5! 22. Bc3


22.bxa5?! bxa5 とポーンを交換すれば、c5 のマスが使えるようになります。

22... axb4 23. axb4 Ra8 24. g4 Ra3 25. Rf3 g6


慌てず、一旦g4-g5 のスレットを止めます。h6 のナイトがどうしようもなければ、g4 で切りますが、まだその必要はありません。

26. Rd2 Qa4?!



しかし、ここで少し慌ててしまいました。26... Ra4-/+ と指してb4 をアタックしにいけば、黒はアドバンテージをキープできます。

27. Qb2?


正直、期待していた手です。彼は強力なアタッカーですが、時にはクイーンを交換して大人しい局面にする判断も必要です。
27. Qxa4! Rxa4 28. Nc6 Rc8 (28...b5 29.Rxd5 Rc8 30.Nd4+/= 黒からb5 を突けばb4 が落ちるので良いと思っていましたが、黒もb5 のポーンが落ちるのを完全に失念していました・・・ ) 29. b5 Rca8 30. f5+/= こうなると、ナイトの位置が悪い黒が、やや劣勢になってしまいます。

27... Rxc3!


Lyell は黒がサクリファイスするとしたら、g4 だとばかり思っていたのでしょう。それより強力なのは、クイーンサイドでエクスチェンジを捨て、3コネクテッドパスポーンを作るアイディアです。

28. Qxc3 Bxb4 29. Qc2 Qxc2 30. Rxc2 Bc5 31. Rd2



予想したポジションになりました。dポーンはブロックされているので、実質、c,bファイルの2コネクテッドパスポーンのようなものですが、十分黒にチャンスがありそうです。ところがここでベストの手を逃がし、ポジションを怪しくしてしまいます。

31... Rc8?


パスポーンの力を過信し、後ろからのルークの支えがあれば十分勝てると勘違いしました。使えていないピースを使えるようにするという、重要なアイディアをなぜ使わなかったのか疑問です。

31... f6! 32. Kg2 fxe5 33. fxe5 Nf7 34. e6 Ng5-+ ナイトがこの試合、初めて戦場に繰り出せば、黒の勝ちは間近です。

32. Kg2!


私は白がピンを外すために動かすキングの位置を、間違って読んでいました。パスポーンを止めるため、少しでもクイーンサイドによると思っていたのです。32. Kf1?? Bxd4 33. Rxd4 c3 34. Rd1 b5 35. Ke2 b4 -+ これならば確かに、cファイルからのサポートだけでパスポーンが進めます。

32... Bxd4 33. Rxd4 Rc5 34. Rf1 b5?!



34... Kg7 35. Rfd1 c3 36. Kf3 Ng8 ならば形勢不明ですが、この後の展開次第では黒が勝つこともありえるでしょう。、

35. Rb1?!


34...b5?! を指した直後に、d5 を攻める手に思い当りました。(考えてみれば、最も自然です。)
35. Rfd1 c3 36. Rxd5 c2 37. Rd8+ Kg7 38. Rc1 b4 39. Rb8 Rc4

検討でこれは、黒がドローにできるだろと話し合いましたが、そう簡単ではありません。

40. Rb7 Kf8 41. Kf2 Rxf4+ 42. Ke3 Rc4 43. Kd2 Re4 44. Rb5 b3 45. Kd3 Rxe5 46. Rxe5 b2 47. Ree1 bxc1=Q 48. Rxc1 f5 49. gxf5 Nxf5 50. Rxc2 Kf7 で、おそらくはドローです。もちろん白はどこにも負ける危険性がないので、本譜よりもこちらを選択しておくべきでした。

35... Kf8


指した直後は、キングの動かす位置が違えば、黒が勝てるのではないか(本譜のチェックがないので)と思いましたが、そんなことはありませんでした。35... Kg7 36. Rbd1 c3 37. Kf2! Ng8 38. f5=

36. Rbd1!


ばれました。白がドローにするためにはこの一手しかありません。黒がNh6-Ne7-Nc6 と回せれば、パスポーンがいよいよ進んできます。

36... c3 37. Rxd5 c2 38. Rd8+ Ke7 39. R8d7+ Ke8 40. Rd8+ Ke7 1/2-1/2



最後はパペチュアルチェックでドロー。キングがg7 に戻る手も考えましたが、上記の変化となって白にのみ勝ちのチャンスがありそうなので、仕方なくドローを受け入れました。

そして10R はIM Kiss との試合予定でしたが、彼が別の試合に参加するために、早く帰らなければならないとのことで(早く言えよ!)、試合なしでのドローとなりました。本来ならばあまりよろしくないことですが、ごねても面倒なのでここは受け入れました。

最終試合の11R は1日ずらし、今日行われます。最下位が確定しているノルウェー人に勝って、ブダペストに帰りたいと思います。


9,10R 後に広場にいくと、逆立ちしたり、ぐるぐるしたりしながら、激しく踊る集団がいました。彼らはなぜぐるぐるするのでしょうか。そして、なぜ奥の男性のシャツには一番と書いてあるのでしょうか(笑)


前日の失敗を生かし、食事は安全パイを選択しました。このケチケメートの食事とも、今日でお別れです。

2012/06/22

CAISSA 2012 June 8th round - Complicated Battle -

6月のCAISSA も後半戦です。8R はWang Doudou が相手、FS ではレイティングを30以上あげる活躍でしたが、今回のCAISSA では沈んでいます。

Wang, D (CHN, 2041) - Kojima, S (FM, JPN, 2264)
CAISSA 2012 June IM (8)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. e3!? c5


オープニングは、QGD Semi-Tarrasch Variation になりました。きちんと勉強したことはありませんが、IQP ポジションのアイディアは理解しているつもりです。

5. cxd5 exd5 6. Nc3 a6 7. g3!?



e3-g3 と白が序盤で指すのはおかしいようにも思えますが、d5 が弱くなったことを考えれば面白いアイディアです。よりポピュラーなセットアップは、dxc5-a3-b4-Bb2 と黒マスビショップを展開することでしょうか。

7... Nc6 8. Bg2 Bg4!?


9... cxd4 でIQP を避ける狙いを一度作り、c5 取りを催促します。

9. dxc5 Bxc5 10. Ne2!?


d5 をアタックするよりも、d4 をブロックすることを重視します。

10... O-O 11. O-O Qe7 12. h3 Be6



単に8... Be6 と指しても良かったのですが、h3 を突かせてから退くことで、将来的にh3 がターゲットになる可能性はないかと考えました。

13. Ned4 Rac8 14. b3 Ne4!


白はナイトをNc3-Ne2-Ned4 とマヌーバリングしましたが、代わりにe4 のマスを弱めています。

15. Bb2 Ba3!?


個人的には良い手だと思いました。通常、IQP を抱える側はピースを残し、キングサイドをアタックしにいくことが多いですが、ここでは白がフィアンケットを組んでキングの守りが堅いので、クイーンサイドへと目を向けます。黒マスビショップの交換は、c3 を始めとする黒マスを弱め、黒のピースがクイーンサイドから侵入するチャンスを作るだろうと考えました。

16. Bxa3 Qxa3 17. Qc1 Qe7


17... Qxc1 18. Rfxc1 Nb4 19. Ne5+/= 黒はd3 にナイトを入れることができなければ、面白くないでしょう。

18. Qb2 Qf6



16.Qe2 Bxb2 17.Qxb2 Qf6 を予想していましたが、同じポジションになりました。クイーンはキングサイドに振り、両サイドで手を作れるようにします。

19. Rab1 Nb4!?


怪しく見えますが、わずかなチャンスを求めてナイトが跳び込みます。

20. a3 Nd3 21. Qe2 Rc3 22. Rbd1 Ndc5?!


クイーンサイドのポーンを脅かせるかと思い指した手でしたが、c3 のルークが退けなくなるため、この後、面倒なことになります。単に22... Ne5= と退くか、思い切って22... Ndxf2!? 23. Rxf2 Nxf2 24. Kxf2 Rfc8= と切るべきでした。特に後者は少し考えたのですが、実行する勇気が出ませんでした。

23. Nd2 Qh6?!



この辺りからお互い時間がなく、怪しい手が続きます。h3 を狙いつつ、24...Nxg3! 25.fxg3 Rxe3 26.Qf2 Nd3 で、クイーンが落ちる狙いもあるこの手は、自然にも見えますが、白には簡単なディフェンスがあります。

24. Kh2?!


24. Nb1! Bxh3 25. Nxc3 Nxc3 26. Qc2 Nxd1 27. Qxc5!+/= c5 のナイトが浮いているのは盲点でした!
このあと黒はd5,b7 がターゲットとなり、やや苦しい展開を迎えます。

24... Nf6 25. Nb1 Nce4 26. Nxc3 Nxc3 27. Qd2?!


27. Qd3! が避け場所としては最適です。白は次の手を見落としていました。

27... Nfe4!



エクスチェンジを取る前にナイトをe4 に戻します。h3 のポーンがアタックされているため、このナイトを取りづらいのがポイントです。

28. Qb2?


さらにミスが続きます。28. Bxe4?! Nxe4 29. Qe1 Qxh3+ 30. Kg1 Bg4-/+ はエクスチェンジの代償が十分あり。
28. Qe1 Nxd1 29. Qxd1 Rc8= ならば、白は本譜のポーンダウンを避けられます。

28... Nxd1 29. Rxd1 Bxh3!


ようやく駒得の機会に恵まれました。しかし、これで勝っただろうと思うの早すぎます!

30. Bxh3 Ng5 31. Rc1 Qxh3+ 32. Kg1 h5?!



32... Rc8-/+ なぜcファイルを抑えてカウンターを止めないのか・・・明らかに冷静ではありませんでした。

33. Qc2 g6?!


33... h4 34. Qc7 (34. Qf5 hxg3 35. Qxh3 Nxh3+ 36. Kg2 Nxf2 37. Rc7 このエンドゲームが確実に勝てるか自信がなく、弱気に指しましたが、本譜よりチャンスがあるのは明らかです。) 34... Ne4-/+

34. Qc7 Re8?! 35. Qf4!=


3つの疑問手ですっかり1ポーン分のアドバンテージは消えてしまいました。アタックにこだわりすぎたのが、ミスの原因です。

35... Ne6 36. Nxe6 Qxe6 37. Rc7 Re7 38. Rc5 b6 39. Rc1 Kg7 40. Qd4+ Kh7 41. Rd1



ようやく40手を迎えて時間を増やした頃には、d5 が落ちそうで、黒のチャンスは消える間近でした。

41... Rc7 42. b4 Rc2


42... b5 43. Qxd5 Qxd5 44. Rxd5 Rc3 45. a4!= でもドローのルークエンディングです。

43. Qd3 Ra2 44. Qb3 d4 45. Qxe6 fxe6 46. Rxd4 Rxa3 47. Rd6 b5 48. Rxe6 Kg7


もちろんこのルークエンディングはドローです。残りの解説は良いでしょう。

49. Kg2 Ra4 50. f4 Rxb4 51. Rxa6 Rb1 52. Rb6 b4 53. e4 b3 54. e5 b2 55. Rb7+ Kf8 56. e6 Ke8 57. e7 Kf7 58. Kh2 Ke8 59. Kg2 Kf7 1/2-1/2



優勢になってからの指し回しが、なぜかいいかげんになってしまう悪い癖がどうにもなりませんね。勝勢と勝ちは違うものだと肝に銘じ、残りの試合を丁寧に戦います。

それと一昨日、私に敗れたWang Xinyue は、その後Xu Huahua とErdelyi さんに勝ったのでWIM ノームは取れそうです。良かった、良かった。


昨日の夕飯は、ハンガリーに来て初めて、食事で失敗したと思いました。左の皿、酸っぱくて食べられない・・・(そのうえ得盛り・・・)自分で頼んだ物を残すのは、私にしてはかなり珍しいことです。おいしい物センサーも不調でしょうか?


この窯は間違いなく人の顔を意識しています(笑)

2012/06/21

CAISSA 2012 June 7th round - Attacking Play -

7R は完全にハンガリーでお馴染みになった、Wang Xinyue が相手です。昨日の記事で書いた通り、事前にドローオファーを受けましたが、それを蹴って勝負に臨みます。今週22歳になったばかりの彼女は、今大会唯一Galyas に勝っており、油断のならない相手です。

Kojima, S (FM, JPN, 2264) - Wang, X (2041)
CAISSA 2012 June IM (7)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 e6 5. e3


今月のFirst Saturday では、勢いだけで5.Bg5 を指して失敗したので、先月通りの堅いセットアップで臨みます。

5... Nbd7 6. Qc2 Bd6 7. b3 O-O 8. Be2 b6 9. O-O Bb7 10. Bb2 Rc8!?



お互いにとって、どこにルークを回すかは悩ましいところです。私は10...Rad8 11.Rad1 をメインで用意していましたが、そこからずれたので、少しアイディアをひねります。

11. Rac1


将来的に、...c5 からcファイルを開かれる可能性があるので、こちらもcファイルにルークを回すことにします。

11... Qe7 12. Rfd1 Rfe8 13. Bf1!?


このラインで私が気に入っているアイディアです。白からはe4 を突いてセンターを開くチョイスをせず(先月の対戦ではしましたが)、黒からセンターを開くのを待ちます。

13... c5 14. cxd5 Nxd5



14... exd5 15. g3! ならば、Bf1-Bg2でd5 を狙うと同時に(もしくはBf1-Bh3 でナイトとルークを狙う)、Nf3-Nh4-Nf5 とナイトが侵入する狙いの両方を準備することができます。それでは本譜のようにピースをセンターに残すとどうなるでしょうか。

15. Nxd5 Bxd5 16. e4 Bb7 17. d5


ここはかなり時間を使ってプランを決めました。白はセンターにポーンが多いことを利用し、それを伸ばします。17. Qd2 Red8 も考えましたが、さほどクイーンをdファイルに回すメリットを感じませんでした。

17... Bf4?!


17.Qd2 が来なかったので、指したくなるのは理解できる手ですが、あまり効果的ではありません。黒マスビショップはdポーンのブロックに使うべきです。

18. Qc3 Nf6?



黒はg7 のメイトを防がなければいけませんが、この悪手では完全に白が流れを掴んでしまいます。他のいくつかの変化も考えてみましょう。

18... e5? 19. Rc2+/- これはf4 に跳び込んだビショップが戻れず、失敗です。
18... f5? 19. dxe6 Nf6 20. exf5! Bxc1 21. Rxc1+/- この2ポーンエクスチェンジは明らかに白が盤面を支配しています。
18... f6! 19. Rc2= が正解ですが、跳び込んだビショップを戻さなければいけないことと、f6 にポーンを置かざるを得ないことは、白にとってのプラスになると私は考えます。

19. d6!+/-


白には強力なパスポーンができました。e4-e5 のポーンフォークがあるため、黒はこのポーンを取ることができません。

19... Qd7 20. Ne5! Bxe5


20... Nxe4 21. Nxd7 Nxc3 22. Rxc3 Red8 23. g3+- ならば、きちんとd7 のナイトが生還できます。

21. Qxe5 Bxe4


白は一時的にポーンダウンですが、d6 の強力なパスポーンと、a1-h8 のダイアゴナルの試合により、優位に試合を進めることができます。たまたまですが、前日にJohn Nunn のUnderstanding Chess Middlegames の、Disaster on g7 の項を読んでおいて良かったと思いました。次の手は色々と考えた結果、シンプルな物を選びます。

22. Qg5!



f6 とg7 を狙うベストムーブです!d6-d7 のポーンフォークがあるため、黒はクイーンをディフェンスに回すことができません。

もう一つの候補手は22. Rc4!? Bg6!(このディフェンスの一手が固く、Rg4-Rxg7+, Rf4-Rxf6 など、のルークのダイレクトアタックを防いでいます。) 23. Rf4 Nh5 24. Rh4 Nf6 25. a4+/= です。22...Bg6! がやっかいなので、本譜にしました。

22... h6 23. Qf4 e5


23... Bg6 24. Bxf6 gxf6 25. Qxh6+- 一度22 ...h6 を突かせているのがポイントで、f6 ではなくh6 を取ることで、メイティングアタックを作ることができます。

24. Bxe5 Ng4 25. Bb2 Bc6 26. Bd3+-



26... Re4 のカウンターも防いで勝負ありです。g4 に跳び込んだナイトは帰るマスがありません。

26... g5 27. Qf5 f6 28. Qg6+ Qg7 29. Qxg7+ Kxg7 30. Bf5 Ne5 31. Bxe5 1-0


ナイトを取り返すと、ポーンフォークでルークが落ちます。ノームのかかった相手を倒すのは心苦しいですが、これも勝負の世界です。

さて、この勝利でようやく戦績がイーブンになりました。あと4試合でなるべく星を稼ぎ、FS で失ったレイティングを取り戻したいところです。今月末の更新で2300台に戻りますように!


夕飯は最近お世話になってる、モールのグリル料理屋さん。肉だけでなく、野菜もきちんと食べます。


そして、なぜか会場に置いてある体重計で体重をチェック。結果は日本を出る前とほぼ変わっていません!安心して食事を続けられます。

2012/06/20

CAISSA 2012 June 6th round - Opposite Color Bishops -

19日から21日までは、中国娘3人との試合です。是非ともここで勝ち星を稼いでおきたいところ。初戦は最も強い(と思われる)Xu Huahua が相手で、前回と同じ私が黒です。

Xu Huahua (CHN, 2168) - Kojima, S (FM, JPN, 2264)
CAISSA 2012 June IM (6)

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e5 6. Ndb5 d6 7. Bg5 a6 8. Na3 b5 9. Nd5 Be7 10. Bxf6 Bxf6 11. c4



彼女は私とHajnal のゲームを見ていて、このラインを指すことにしたそうです。Morozevich, Nipomniachi らロシアのGM の研究によって、近年、人気が出てきています。

11... b4 12. Nc2 O-O 13. h4!?


先に13...Bg5 を止めて、黒の駒組みを限定します。

13... Be6 14. g3 Bxd5!?



14... a5 (14... Rb8!?) 15. Bh3! この白マスビショップの交換が白の13.h4 のもう一つのアイディアです。私はこれを避けるため、本譜のナイトとりを決行しました。しかし、本譜はドローウィッシュなポジションになるため、下相手に勝ちにいくためには、ピースを残すべきだったと後で思いました。

15. cxd5 Nd4


15... Ne7 16. Qd2+/= (16. Nxb4 Qb6 17. Nd3?! Nxd5! 18.exd5 e4 So Wesley) このラインも研究していましたが、e7 のナイトの位置が悪いため、どうしても指す気になれませんでした。

16. Nxd4 exd4 17. Bd3 a5 18. Kf1 a4 19. Rc1!



黒がd4 のポーンを生かして勝ちのチャンスを生みだすとすれば、c3 にマスを作ったうえで、Rc8-Rc3 しかないと思っていました。白はそれを防ぐため、先にcファイルを抑えます。

19... a3 20. b3 Rc8 21. Rc4 Qb6 22. Kg2 Rxc4 23. Bxc4 Rc8 24. Qd3 Rc7 1/2-1/2


彼女とのゲームは、2試合とも異色ビショップでドロー。初勝利は次の対戦までお預けです。

今日はWang Xinyue とのゲームですが、昨夜の段階でオファーされました。彼女は私とのドローでWIM ノーム確定だそうです。しかし申し訳ないですが、お断りさせていただきました。彼女とはここまで3勝1敗の好成績ですし。勉強のため、しっかり試合はこなそうと思います。


昨日の夕飯はショッピングモールのフードコートへ。似非タイ料理にました。(チャピーだけは宿から持ってきました。)早くブダペストに戻って、本物のタイ料理が食べたいです。


こちらもモール内より。写真の出来栄えよりも、展示の仕方が気になるのは私だけでしょうか。何かの弾みに、下のフロアに落ちそう・・・

2012/06/19

CAISSA 2012 June 3-5th rounds - Tough Fights -

18日が午前午後の2試合だったため、ブログを更新する暇がありませんでした。2日間で3,4,5R が終わり、結果はドロー、負け、勝ちです。8試合ぶりの勝利はもちろんうれしいですが、3試合とも優勢だっただけに、複雑な気分です。長くなりそうなので、解説は簡単に。

Kojima, S (FM, JPN, 2264) - Keresztes, R (HUN, 2253)
CAISSA 2012 June IM (3)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. Nc3 Bg7 4. e4 d6 5. d4 Nc6 6. d5 Ne5 7. Nxe5 dxe5 8. Be2 O-O 9. Be3 Ne8 10. O-O f5 11. exf5!



King's Indian で固めずに開くのは初めてです。この局面ではベストの判断だと思います。

11... gxf5 12. f4 e4 13. Qb3 Rf6 14. Rad1 Rh6 15. c5 Kh8 16. g3 a6 17. Rd2 Rb8 18. Nb1 Nf6 19. Na3 Qe8 20. Nc4 e6!?


完全に押せ押せのつもりでしたが、この一手で手が止まりました。d5 をブロックされると白としては少し局面が難しくなります。

21. d6 c6 22. Ne5 Nd5 23. Bxa6!? Bxe5?


23... Nxe3 24. Qxe3 bxa6 25. d7 Bxd7 26. Nxd7 Rxb2 27. Rfd1 ならば、アンクリアーですが、白を持っても良いと思ったのでa6 を取りました。

24. fxe5?



まさかの 24. Rxd5!! exd5 25. fxe5 Rg6 26. Bd4 Be6 27. Be2+/- で白優勢。黒の2ルークはオープンファイルがないので働けません。

24... bxa6 25. Qxb8 Nxe3 26. d7 Bxd7 27. Qxe8+ Bxe8 28. Rd8 Nxf1 29. Rxe8+ Kg7 30. Kxf1 Rxh2 31. Rxe6 Rxb2 32. a4 Ra2 33. Rxc6 Rxa4 34. Rf6?


34. Ke2! Ra2+ 35.Kd1!

34... Ra5 35. Rxf5 Rxc5 36. Ke2 Rc3?!(=) 1/2-1/2


36... a5 37. Ke3 a4 38. Kxe4 a3 39. Rf2 Ra5 40. Ra2 Kg6 41. Kd3 Kf5 42. Kc2 Kxe5 43. Kb1 Kf6-+

最後は謎の手でドローオファーが来たので、もちろん受諾。上記の変化ならば黒勝ちなので、1/2 ポイント拾いました。お互いルークエンディングがへぼですね・・・

Hajnal, Z (IM, HUN, 2401) - Kojima, S (FM, JPN, 2264)
CAISSA 2012 June IM (4)

1. e4 c5 2. Nf3 Nc6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 e5 6. Ndb5 d6 7. Bg5 a6 8. Na3 b5 9. Nd5 Be7 10. Bxf6 Bxf6 11. c4 b4 12. Nc2 O-O 13. g3 Bg5 14. h4 Bh6 15. Bh3 Be6 16. Kf1 Qa5 17. b3 Qc5 18. Kg2 Ra7 19. Qd3 a5 20. Rad1 a4 21. g4 f6 22. Nde3?N



ここまで研究手順でした。イマイチの新手の後は黒が流れを掴みます。

22... axb3 23. axb3 Bxe3 24. fxe3 Ra2 25. Kf3 Rd8 26. Ra1 Rda8 27. Rxa2 Rxa2 28. Rd1 Ra6 29. Kg3 Nb8 30. Qf1 Ra2 31. Qd3 Ra6 32. Qf1 Ra2 33. Qd3 Kf7!?


3回同一局面を蹴って勝負にいきます。3年ぶりの2400台への勝ちに少し躍起になっていました。

34. g5 Bxh3 35. Kxh3 Nd7?



勝負に行った直後にミスとは情けない!35... Na6 36. Qxd6 Qxd6 37. Rxd6 Ke7 38. Rb6 Rxc2 39. Rxa6 Rc3 40. Ra7+ Ke6 41. Ra6+ Ke7 42. Ra7+= ならば、ドローです。

36. Qxd6 Qxd6 37. Rxd6 Ke7 38. Nxb4!


完全に見落としていました・・・

38... Rb2 39. Rc6 Rxb3 40. Nd5+ Kf7 41. Rd6 Ke8 42. gxf6 gxf6 43. Kg4 Rb1 44. Nxf6+ 1-0


Kojima, S (FM, JPN, 2264) - Vamos, V (2238)
CAISSA 2012 June IM (5)

1. Nf3 Nc6 2. d4 e6 3. g3 Nf6 4. Bg2 Bb4+ 5. c3 Be7 6. O-O d6 7. c4 e5 8. d5 Nb8 9. Nc3 Nbd7 10. e4 Nf8 11. c5 Ng6 12. cxd6 cxd6 13. h3 O-O 14. Be3 Ne8 15. Qb3 b6 16. h4 h6 17. Rac1 f5 18. h5!



e5 を取る手を決行します。多少複雑ですが、ここはきちんと読めていました。

18... f4 19. Bd2 Nh8 20. Nxe5 fxg3 21. fxg3 dxe5 22. d6+ Nf7 23. dxe7 Qxe7 24. Nd5 Qd7 25. Bb4 Ned6 26. Rc7 Qd8 27. Bxd6 Qxd6 28. Ne7+ Kh7 29. Rxc8


29. Rxf7 Be6 30. Rxg7+ Kxg7 31. Nf5+ Kf6 32. Nxd6 Bxb3 33. axb3+- でも2ピースルークで勝ちですが、ピースアップのほうが良いだろうと判断したところ、先が長くなりました・・・

29... Raxc8 30. Nxc8 Qc5+ 31. Kh2 Ng5!



丁寧にやれば白勝ちですが、意外とこのナイトが強く、パペチュアルチェックを終始気にする必要があります。

32. Rxf8 Qxf8 33. Qc4 Qe8 34. Nxa7 Qxh5+ 35. Kg1 Qd1+ 36. Qf1 Qd4+ 37. Kh1 Qxb2 38. Nc6 Qxa2 39. Qf5+ Kh8 40. Nxe5 Qb1+ 41. Kh2 Qb3 42. Ng6+ Kh7 43. Ne7+ Kh8 44. Nd5 Qd1 45. Nf4 Kg8 46. e5 Nf3+ 47. Bxf3 Qxf3 48. Qc8+ Kh7 49. Qc2+ Kg8 50. e6 Qe3 51. Qa2 Kh7 52. Qc2+ Kg8 53. Qc8+ Kh7 54. Qe8 Qf2+ 55. Ng2 Qc5 56. Qf7 Qd5 57. Nf4 Qa2+ 58. Kh3 Qb1 59. e7 Qh1+ 60. Kg4 Qd1+ 61. Kh4 Qh1+ 62. Nh3 Qe4+ 63. g4 Qe1+



ここでキングを触って愕然としました。予定していた勝ちの手が、実は負けになります!

64. Kh5 Qe5+ 65. Kh4


65. Qf5+?? g6+-+

65... Qe1+ 66. Nf2 1-0


なんとか初勝利で、タフな1日を終えました。やはり勝利の味は格別です。

そして味と言えばこちら。先月ケチケメートに来て、広場で見かけたときから気になっていました。伸ばした生地を棒に巻き、炭火で焼いて砂糖をまぶしたお菓子です。


デザートのつもりで購入してみました。巨大な1本が1000フォリントです。ペロッ、これは・・・ロール状のメロンパン! 出来たてのハンガリー伝統菓子は、熱々でおいしかったです。


しかし、あまりに多いのですぐには食べきれません。次第に冷めて、少し苦くなりました。最初はあんなに熱々で甘かったのに、こんなに冷めて苦くなるなんて・・・これはまさに恋の味!などとくだらないことを、5R直前には考えていました。

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